
| |
|
韓国社会における英語熱と学校教育
松本麻人[名古屋大学大学院博士課程後期課程3年]

韓国では1997年より小学校3年生から英語が必修化された。
世界を覆いつつあるグローバル化の流れを受け、国民は好意的に受け止めている。では、実際の教育現場では英語教育にどのような認識を持っているのだろうか。
韓国ソウル市において中高生及び英語教師に対し、質問紙調査とインタビューを行った結果を報告する。
世界を覆いつつあるグローバル化の流れを受け、国民は好意的に受け止めている。では、実際の教育現場では英語教育にどのような認識を持っているのだろうか。
韓国ソウル市において中高生及び英語教師に対し、質問紙調査とインタビューを行った結果を報告する。
● 調査概要
調査テーマ
1)韓国社会における英語の重要性に対する学生と英語
教師の意識を明らかにすること。
2)学生や英語教師の意識と英語教育の実際との間に見
いだされる懸隔に注目し、韓国の英語教育の課題を明
らかにすること。
調査時期
2006年12月6日〜12月23日
調査対象国及び対象者
韓国の中等学校生徒と高等学校生徒(公立中等 学校1、2、3年生、私立一般高校1・2年生、私立外 国語高校1・2・3年生、公立芸術高校1・2年生)と、 対象校の英語教師及び蔚山市内の高校英語教師
調査対象数
生徒:中学校189名、一般高校186名、外国語高校167名、 芸術高校82名 英語教師:中学校7名、一般高校11名、 外国 語高校5名、 芸術高校及び蔚山市内高校英語教師17名
調査テーマ
1)韓国社会における英語の重要性に対する学生と英語
教師の意識を明らかにすること。
2)学生や英語教師の意識と英語教育の実際との間に見
いだされる懸隔に注目し、韓国の英語教育の課題を明
らかにすること。
調査時期
2006年12月6日〜12月23日
調査対象国及び対象者
韓国の中等学校生徒と高等学校生徒(公立中等 学校1、2、3年生、私立一般高校1・2年生、私立外 国語高校1・2・3年生、公立芸術高校1・2年生)と、 対象校の英語教師及び蔚山市内の高校英語教師
調査対象数
生徒:中学校189名、一般高校186名、外国語高校167名、 芸術高校82名 英語教師:中学校7名、一般高校11名、 外国 語高校5名、 芸術高校及び蔚山市内高校英語教師17名
調査方法
生徒と教師に対する質問紙調査と、一部の教師に対 するインタビュー調査。
アンケート回収率
中学校187名:回収率98.9%
一般高校186名:回収率100%
外国語高校166名:回収率99.4%
芸術高校80名:97.5%
調査協力校
1)ソウル市内にある公立中学校
2)ソウル市内にある私立一般高校
3)ソウル市内にある私立外国語高校
4)蔚山市内にある公立芸術高校
生徒と教師に対する質問紙調査と、一部の教師に対 するインタビュー調査。
アンケート回収率
中学校187名:回収率98.9%
一般高校186名:回収率100%
外国語高校166名:回収率99.4%
芸術高校80名:97.5%
調査協力校
1)ソウル市内にある公立中学校
2)ソウル市内にある私立一般高校
3)ソウル市内にある私立外国語高校
4)蔚山市内にある公立芸術高校
はじめに
韓国政府が初等学校3年生以降の正規教科に英語を導入したのは、97年のことであった。その後も英語教育の強化政策は加速し、2008年からは初等学校1年生から英語教育を始めることになる。05年に教育人的資源部(日本の文部科学省に当たる)が発表した「英語教育活性化5ヵ年総合対策」は、その目標を「学生たちの基本的な英語意思疎通能力を向上させる」ことと定めている*1。対策の具体例として、ネイティブスピーカーの補助教師の配置を拡大し、2010年までにはすべての中学校に1人の補助教師を配置する方針を明らかにしている。
こうした公教育における英語教育の強化を、韓国社会は期待を持って受け止めている。現在、韓国社会における“英語熱”はとどまるところを知らないからである。90年代中盤以降過熱化したといわれる韓国の英語熱の背景には、政府の早期英語教育政策の方針、入社資格として英語能力を求める企業の増加などを指摘することができるが、これらの変化はいずれも韓国がWTO(世界貿易機関)体制下へ組み込まれたことと無関係ではあるまい。そして現在の韓国において、大学生や社会人は英語資格試験の準備に忙しく、また英語の早期教育や早期留学はますます盛んになり、家庭経済の圧迫や留学に伴う別居生活は大きな社会問題にもなっている。このような英語に対する社会的雰囲気は、学校で英語を学ぶ生徒や公教育現場の英語教師の意識に対し、強い影響を与えているものと思われる。本レポートでは、韓国社会における英語熱の状況を明らかにすると共に、韓国社会における英語の重要性に対する学生と英語教師の意識を調査する。そしてそれらの分析を通して、韓国の英語教育が内包する問題を探りたい。
本レポートの調査では、ソウル特別市の中学校(189名)、一般高校(186名)、外国語高校(167名)各1校と、蔚山広域市の芸術高校1校の学生(82名)、計624名を対象に質問紙調査を行った*2。また、それぞれの学校の英語教師(合計40名)に対しても質問紙調査及びインタビュー調査を行った。
こうした公教育における英語教育の強化を、韓国社会は期待を持って受け止めている。現在、韓国社会における“英語熱”はとどまるところを知らないからである。90年代中盤以降過熱化したといわれる韓国の英語熱の背景には、政府の早期英語教育政策の方針、入社資格として英語能力を求める企業の増加などを指摘することができるが、これらの変化はいずれも韓国がWTO(世界貿易機関)体制下へ組み込まれたことと無関係ではあるまい。そして現在の韓国において、大学生や社会人は英語資格試験の準備に忙しく、また英語の早期教育や早期留学はますます盛んになり、家庭経済の圧迫や留学に伴う別居生活は大きな社会問題にもなっている。このような英語に対する社会的雰囲気は、学校で英語を学ぶ生徒や公教育現場の英語教師の意識に対し、強い影響を与えているものと思われる。本レポートでは、韓国社会における英語熱の状況を明らかにすると共に、韓国社会における英語の重要性に対する学生と英語教師の意識を調査する。そしてそれらの分析を通して、韓国の英語教育が内包する問題を探りたい。
本レポートの調査では、ソウル特別市の中学校(189名)、一般高校(186名)、外国語高校(167名)各1校と、蔚山広域市の芸術高校1校の学生(82名)、計624名を対象に質問紙調査を行った*2。また、それぞれの学校の英語教師(合計40名)に対しても質問紙調査及びインタビュー調査を行った。
- *1 教育人的資源部「英語教育活性化5ヵ年総合対策(2006〜2010)」2005年5月、P.1
-
*2 韓国の高校は、一般高校と呼ばれる普通科高校、農業や工業高校などの実業系高校、科学高校や外国語高校などの特殊目的高校の3種類に大きく分類される
|
|||||||||

