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教師のライフコース研究から見た教職意識の変化
── 実践と振り返りで培われる教師としての心構え──
山崎準二[東京学芸大学教員養成カリキュラム開発研究センター教授]

教師たちはどのような動機から教職に就き、どのように力量の発達や意識の変容を経験するのか。
教育環境が激変する中、これからの教育現場を支える若い教師の教職実態はどうなっているのか。
その姿を実証的に解明するため、山崎準二先生は20年間にわたり静岡大学教育学部の1500人近い卒業生を対象に追跡調査した「ライフコース研究」に取り組んでいる。
山崎先生の調査研究から見えてきた若い教師の教職意識の特徴をうかがい、今後の養成教育のヒントを探る。
教育環境が激変する中、これからの教育現場を支える若い教師の教職実態はどうなっているのか。
その姿を実証的に解明するため、山崎準二先生は20年間にわたり静岡大学教育学部の1500人近い卒業生を対象に追跡調査した「ライフコース研究」に取り組んでいる。
山崎先生の調査研究から見えてきた若い教師の教職意識の特徴をうかがい、今後の養成教育のヒントを探る。
「教師のライフコース研究」で行われた調査の概要を教えてください。
教師の資質や能力、専門的力量はいかにして形成されるのか。このことについてはさまざまな議論が繰り返されてきました。しかしその多くは、自身の受けてきた教育や教職生活の経験から一般化する経験主義か、理想的な教師像に向かって発達していくべきとする規範主義に基づいたものでした。
こうした議論が必ずしも的外れというわけではありません。しかし、もう少しデータや事例に基づいた実証的な議論が必要と考えられます。教職の実態を実証的に解明する手立ての一つが、ライフコースアプローチに基づく教師の発達と力量形成の研究です。これは、教師たちが自らの歩みの中で、どのように教職意識を形成し変容してきたのか、教職に就く以前も含めて、その人生の軌跡をアンケートとインタビューに基づいて追跡調査する研究手法です。
静岡大学教育学部を卒業し、静岡県下の小・中学校に赴任した年齢・性別の異なる総計1500人近い教師に対して、1984年から2004年まで5年間隔で5回にわたり、ライフコースアプローチによる調査研究を実施しました。卒業年度5年間隔で11のコーホート(卒業年度を同じくする集団)のライフコース上の経験と、それに伴う教師としての力量形成や意識の変容を調べたわけです。
ライフコース研究の特徴は、職業面での経験を調査し聞き取るだけではなく、病気や結婚あるいは加齢による身体的・精神的な変化といった個人的な経験も視野に入れることです。とりわけ教師の場合、個人的な経験が子ども観や教育観に影響を及ぼすことが多い。例えば自分が親になると、子育ての経験が子どもとの接し方を変えたり授業を変えたりします。
一定の間隔をおいて追跡調査すると、同じ集団の継続的な発達の姿が見えてきます。これは「加齢効果」といって、例えば今の20代前半が10年、20年と歳を経るにしたがって、その上の世代と同じような意識に変わっていくことです。それから「コーホート効果」というものが考えられます。コーホートは厳密には世代とイコールではなく、同じ経験を共有した一団のことを指します。歳を重ねても時代が変わっても、他のコーホートと比べて明らかに違った傾向を維持していくのが「コーホート効果」です。一例を挙げれば、容易に推察できることでしょうが、「団塊の世代」と呼ばれる集団は政治的・社会的意識が比較的高い傾向が見られます。もう一つは「時代効果」。例えば政治意識のようなものは、時代の影響を受けて変わっていくことがあります。
このように、加齢と共に変わるのか、その集団に特有な傾向がずっと維持されるのか、あるいは時代の影響を受けて変わるのか、ライフコース研究では「加齢効果」「コーホート効果」「時代効果」それぞれの傾向を読み取ることができるのです。それによって縦断的に教師の発達と力量形成の姿が分かります。
こうした議論が必ずしも的外れというわけではありません。しかし、もう少しデータや事例に基づいた実証的な議論が必要と考えられます。教職の実態を実証的に解明する手立ての一つが、ライフコースアプローチに基づく教師の発達と力量形成の研究です。これは、教師たちが自らの歩みの中で、どのように教職意識を形成し変容してきたのか、教職に就く以前も含めて、その人生の軌跡をアンケートとインタビューに基づいて追跡調査する研究手法です。
静岡大学教育学部を卒業し、静岡県下の小・中学校に赴任した年齢・性別の異なる総計1500人近い教師に対して、1984年から2004年まで5年間隔で5回にわたり、ライフコースアプローチによる調査研究を実施しました。卒業年度5年間隔で11のコーホート(卒業年度を同じくする集団)のライフコース上の経験と、それに伴う教師としての力量形成や意識の変容を調べたわけです。
ライフコース研究の特徴は、職業面での経験を調査し聞き取るだけではなく、病気や結婚あるいは加齢による身体的・精神的な変化といった個人的な経験も視野に入れることです。とりわけ教師の場合、個人的な経験が子ども観や教育観に影響を及ぼすことが多い。例えば自分が親になると、子育ての経験が子どもとの接し方を変えたり授業を変えたりします。
一定の間隔をおいて追跡調査すると、同じ集団の継続的な発達の姿が見えてきます。これは「加齢効果」といって、例えば今の20代前半が10年、20年と歳を経るにしたがって、その上の世代と同じような意識に変わっていくことです。それから「コーホート効果」というものが考えられます。コーホートは厳密には世代とイコールではなく、同じ経験を共有した一団のことを指します。歳を重ねても時代が変わっても、他のコーホートと比べて明らかに違った傾向を維持していくのが「コーホート効果」です。一例を挙げれば、容易に推察できることでしょうが、「団塊の世代」と呼ばれる集団は政治的・社会的意識が比較的高い傾向が見られます。もう一つは「時代効果」。例えば政治意識のようなものは、時代の影響を受けて変わっていくことがあります。
このように、加齢と共に変わるのか、その集団に特有な傾向がずっと維持されるのか、あるいは時代の影響を受けて変わるのか、ライフコース研究では「加齢効果」「コーホート効果」「時代効果」それぞれの傾向を読み取ることができるのです。それによって縦断的に教師の発達と力量形成の姿が分かります。
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