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世界6都市調査に見る「子どもたちの学び」
──学習に関する意識・実態の背景を探る──
Benesse教育研究開発センター教育調査室
木村治生(はじめに・おわりに)
[Benesse教育研究開発センター教育調査室室長、東京大学客員准教授]
十河直幸(ソウル)/ 邵 勤風(北京)/河村洋子(ヘルシンキ)
宮本幸子(ロンドン)/鈴木尚子(ワシントンDC)
[Benesse教育研究開発センター研究員]

日本の小学生の学習の取り組みは、海外と比較してどのような点が異なっているのだろうか。
Benesse教育研究開発センターでは、東京を含めた世界6都市の小学生を対象に学習の意識や実態について調査を行った。
そのデータと現地調査からみた、各都市での学習実態の背景を探る。
Benesse教育研究開発センターでは、東京を含めた世界6都市の小学生を対象に学習の意識や実態について調査を行った。
そのデータと現地調査からみた、各都市での学習実態の背景を探る。
はじめに
Benesse教育研究開発センターでは、1990年からほぼ5年おきに子どもたちの学習実態を把握するための質問紙調査(学習基本調査)を実施してきた。2006年に実施した第4回調査では、経年による変化を見ることに加えて、複数の都市のデータとの比較から日本の小学生の特徴を明らかにすることを試みた。調査を行ったのは、東京、ソウル、北京、ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンDCの6都市である。各都市の公立小学校に協力を依頼し、10 〜 11 歳(日本の小学5 年生に相当)を対象とした。調査サンプルは、全体で約6000名である。
さらに、今回は質問紙調査で得られた各都市の特徴を現地で確認したり、その背景を検討したりするために、訪問調査を行った。調査内容は、小学校の取り組みの観察、教員や子どもを対象としたヒアリングなどである。あわせて、現地の研究協力者(研究者)との分析会を実施した。
本稿では、質問紙調査のうち、特に東京のデータに着目しながら子どもたちの学習実態を概観する。その上で、訪問調査を行った研究員が、現地の学校教育や子どもたちの学習の様子をレポートし、データに見られた各都市の特徴の背景を検討する。
さらに、今回は質問紙調査で得られた各都市の特徴を現地で確認したり、その背景を検討したりするために、訪問調査を行った。調査内容は、小学校の取り組みの観察、教員や子どもを対象としたヒアリングなどである。あわせて、現地の研究協力者(研究者)との分析会を実施した。
本稿では、質問紙調査のうち、特に東京のデータに着目しながら子どもたちの学習実態を概観する。その上で、訪問調査を行った研究員が、現地の学校教育や子どもたちの学習の様子をレポートし、データに見られた各都市の特徴の背景を検討する。
学習時間の二極分化
最初に、各都市の子どもたちが平日にどのくらいの時間、学習をしているのかを見てみよう(図表1)。
東京は、「およそ30分」「1時間」という回答が多く、それぞれ2割前後である。ただし、「それ以上」(注:3時間30分以上)という回答も13.6%いる。学習時間が短い者と長い者とがいて、中間に位置する子どもが少なく、二極に分化している様子が分かる。こうした分布を示す都市は、他にはない。ソウルは、全体に学習時間が長いのが特徴である。約6割の小学生が「2時間」を超える時間を回答しており、およそ4人に1人は「それ以上」を選択している。北京も相対的に学習時間が長い傾向が示されている。ただし、「およそ30分」から「それ以上」にかけて一定割合の回答があり、散らばりが大きい。ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンDCは傾向が似ており、「およそ30分」「1時間」に回答が集中していて、「2時間」を超える子どもは少ない。ほとんどが30分から1時間程度の学習をするというのが、欧米3都市のスタイルのようだ。
このように、東京だけが二極分化の傾向を示す。同じクラスの中に学習時間が大きく異なる子どもがいるということになり、格差の中でどのレベルに基準を合わせればよいか指導が難しい状況が生まれていると推察される。
東京は、「およそ30分」「1時間」という回答が多く、それぞれ2割前後である。ただし、「それ以上」(注:3時間30分以上)という回答も13.6%いる。学習時間が短い者と長い者とがいて、中間に位置する子どもが少なく、二極に分化している様子が分かる。こうした分布を示す都市は、他にはない。ソウルは、全体に学習時間が長いのが特徴である。約6割の小学生が「2時間」を超える時間を回答しており、およそ4人に1人は「それ以上」を選択している。北京も相対的に学習時間が長い傾向が示されている。ただし、「およそ30分」から「それ以上」にかけて一定割合の回答があり、散らばりが大きい。ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンDCは傾向が似ており、「およそ30分」「1時間」に回答が集中していて、「2時間」を超える子どもは少ない。ほとんどが30分から1時間程度の学習をするというのが、欧米3都市のスタイルのようだ。
このように、東京だけが二極分化の傾向を示す。同じクラスの中に学習時間が大きく異なる子どもがいるということになり、格差の中でどのレベルに基準を合わせればよいか指導が難しい状況が生まれていると推察される。
![図表[1]平日の学習時間](img/6_zu1.gif)
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