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さいたま市「人間関係プログラム」に見るスキル習得のポイントと展望
──児童・生徒のコミュニケーションの場を育む──
星野貞邦[さいたま市教育委員会学校教育部指導2課主任指導主事兼係長]
岡田 弘[東京聖栄大学准教授]
さいたま市立春野小学校(野口一夫校長、青木和美教諭)


2005年に教育特区の認定を受けたさいたま市では、人間関係を構築する際に必要とされるスキルを体系的に学ぶ「人間関係プログラム」の授業を全市立小中学校で実施している。
子どもたちのコミュニケーションに、この取り組みがどのような効果を上げているのかレポートする。
子どもたちのコミュニケーションに、この取り組みがどのような効果を上げているのかレポートする。
導入の背景 プログラムの充実を図る
さいたま市の公立小中学校には、ある独自の授業が導入されている。
名称は「人間関係プログラム」。
同市は2005年3月に、内閣府から「さいたま市小・中一貫『潤いの時間』教育特区」の認定を受けた。この特区の認定により、05年の9月から「人間関係プログラム」と「英会話」から構成される「潤いの時間」を創設。このうち「人間関係プログラム」は小学校3年生から中学校1年生までを対象としており、各学期の初めに6時間ずつ実施する。年18時間の授業時間数は、「総合的な学習の時間」の授業時間数を削減することで確保している。
「人間関係プログラム」の目的は、子どもたちが人間関係を構築する際に必要となるスキルを身に付けさせることだ。さらにそこで身に付けたスキルを、学校での各教科、領域、「総合的な学習の時間」はもとより、家庭生活などのあらゆる場面で活用することで強化を図り、子どもたちの人間関係の構築力を高めることを目指している。
実は、この取り組みに先行して04年に、さいたま市では市内3000人の児童・生徒を対象に、人間関係に関するアンケート調査を実施した。その結果分かったのは、(1)自分の意思をうまく相手に伝えられない、(2)聞く際の態度やマナーに問題がある、(3)自分の所属する集団が自己主張、自己開示、自己表現ができる集団か不安である、など、人間関係づくりに多くの課題を抱える子どもたちの姿だった。全市立小中学校158校での実施という思い切った決断の背景には、こうした危機意識がある。
さいたま市教育委員会学校教育部の星野貞邦主任指導主事兼係長は、その経緯を次のように話す。
「『人間関係プログラム』の実施に当たっては、『あえて特区申請を行わなくても、総合的な学習の時間の一部として取り組めば十分ではないか』という意見もありました。しかし、総合的な学習の時間では、すでに各校とも確立したテーマを持っています。そんな中で『人間関係プログラム』をこの時間に組み込んだとしても、どうしても取り組みの重心は各校独自のテーマに傾きがちになります。また、『人間関係プログラム』に力を入れる学校と、そうでない学校との間で格差が生じることも懸念されました。
私たちの狙いは、あくまでもさいたま市のすべての小中学生のコミュニケーション能力を高めることです。さいたま市は都市部ということもあり、体験不足、遊びの変化、塾や習い事等による遊び時間の減少など、子どもの人間関係が希薄になりがちな要素がいくつもあります。だからこそ一部の学校の実践ではなく、この取り組みをすべての学校に浸透させるために、教育特区の申請を行いました」
名称は「人間関係プログラム」。
同市は2005年3月に、内閣府から「さいたま市小・中一貫『潤いの時間』教育特区」の認定を受けた。この特区の認定により、05年の9月から「人間関係プログラム」と「英会話」から構成される「潤いの時間」を創設。このうち「人間関係プログラム」は小学校3年生から中学校1年生までを対象としており、各学期の初めに6時間ずつ実施する。年18時間の授業時間数は、「総合的な学習の時間」の授業時間数を削減することで確保している。
「人間関係プログラム」の目的は、子どもたちが人間関係を構築する際に必要となるスキルを身に付けさせることだ。さらにそこで身に付けたスキルを、学校での各教科、領域、「総合的な学習の時間」はもとより、家庭生活などのあらゆる場面で活用することで強化を図り、子どもたちの人間関係の構築力を高めることを目指している。
実は、この取り組みに先行して04年に、さいたま市では市内3000人の児童・生徒を対象に、人間関係に関するアンケート調査を実施した。その結果分かったのは、(1)自分の意思をうまく相手に伝えられない、(2)聞く際の態度やマナーに問題がある、(3)自分の所属する集団が自己主張、自己開示、自己表現ができる集団か不安である、など、人間関係づくりに多くの課題を抱える子どもたちの姿だった。全市立小中学校158校での実施という思い切った決断の背景には、こうした危機意識がある。
さいたま市教育委員会学校教育部の星野貞邦主任指導主事兼係長は、その経緯を次のように話す。
「『人間関係プログラム』の実施に当たっては、『あえて特区申請を行わなくても、総合的な学習の時間の一部として取り組めば十分ではないか』という意見もありました。しかし、総合的な学習の時間では、すでに各校とも確立したテーマを持っています。そんな中で『人間関係プログラム』をこの時間に組み込んだとしても、どうしても取り組みの重心は各校独自のテーマに傾きがちになります。また、『人間関係プログラム』に力を入れる学校と、そうでない学校との間で格差が生じることも懸念されました。
私たちの狙いは、あくまでもさいたま市のすべての小中学生のコミュニケーション能力を高めることです。さいたま市は都市部ということもあり、体験不足、遊びの変化、塾や習い事等による遊び時間の減少など、子どもの人間関係が希薄になりがちな要素がいくつもあります。だからこそ一部の学校の実践ではなく、この取り組みをすべての学校に浸透させるために、教育特区の申請を行いました」
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