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スウェーデンの高校における職場実習の取り組み
─企業と学校との連携による職業教育─
本所 恵[京都大学大学院教育学研究科教育方法学講座博士後期課程]

スウェーデンでは、2007年に新政府が新しい高校像を提案した。そこでは、教育課程の大部分を職場での実習に充てる「徒弟型教育(lärlingsutbildning)」が正規の高校教育のプログラムに位置付けられ、注目を集めた。「徒弟型教育」は、現在行われている職場実習とどのように異なり、どのような特徴を持つのだろうか。現在、先駆的な実践に取り組んでいる学校の姿から、「徒弟型教育」の実情をレポートする。

はじめに
学校から社会への移行期に当たる後期中等教育にとって、労働市場との関連は大きなテーマの一つである。日本では2004年度に、学校での座学と企業での実習とを並行して行う「日本版デュアルシステム」が開始された。専門的な能力を持つ職業人の育成を目指すこのシステムのモデルは、実習重視型の職業訓練制度を100年以上かけてつくりあげてきたドイツである。同国では、若者の7割がこのシステムを経験し、修了者に与えられる専門技術者としての資格が就業を大きく左右するという*1。
このように長い伝統の中で育まれてきた他国のシステムを導入する際には、当然ながら、既存の教育制度との兼ね合いや価値観の違いから課題が生じる。デュアルシステムについては、学校と企業とのコミュニケーションの方法、実習先での学習内容の保障や評価の方法、企業に対する助成制度といったことが課題とされてきた。
そのような課題への対応を思いながら視野を少し広げると、北欧のスウェーデンにおける新しい動きに目が留まる。職業教育が主に後期中等教育レベルの学校で行われている同国では、学校内での職業教育で育まれる力と実際の労働市場で要請される力との乖離が問題視され、学校と企業との連携を進める動きが1990年代後半から強まっている。そこでは日本同様、企業での実習と学校での座学を並行して行うシステムが注目されている。新しいシステムを取り入れるに当たり、スウェーデンの教育現場ではどのような課題が生じ、どのように対応したのだろうか。具体的な教育現場の状況を明らかにすべく、企業での実習を大幅に取り入れた実践を行っている学校を訪問・調査した。
このように長い伝統の中で育まれてきた他国のシステムを導入する際には、当然ながら、既存の教育制度との兼ね合いや価値観の違いから課題が生じる。デュアルシステムについては、学校と企業とのコミュニケーションの方法、実習先での学習内容の保障や評価の方法、企業に対する助成制度といったことが課題とされてきた。
そのような課題への対応を思いながら視野を少し広げると、北欧のスウェーデンにおける新しい動きに目が留まる。職業教育が主に後期中等教育レベルの学校で行われている同国では、学校内での職業教育で育まれる力と実際の労働市場で要請される力との乖離が問題視され、学校と企業との連携を進める動きが1990年代後半から強まっている。そこでは日本同様、企業での実習と学校での座学を並行して行うシステムが注目されている。新しいシステムを取り入れるに当たり、スウェーデンの教育現場ではどのような課題が生じ、どのように対応したのだろうか。具体的な教育現場の状況を明らかにすべく、企業での実習を大幅に取り入れた実践を行っている学校を訪問・調査した。
- *1「若者を一人前の職業人に育てる日本版デュアルシステム」
(『厚生労働』/寺田盛紀、小杉礼子、吉本明子/2004年5月号、P.4〜9)
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