
| |
|
自己学習なくしてプロにはなり得ず
乗客の立場にたてるバスガイドになるために

バスガイドといえば、車窓観光のナレーター役として、行く先々の見所を伝える流暢な「語り」。
経験の浅い10代の若者も、たった1人で乗客と向き合わなければならない。
バスガイドはどのようにして育成されているのか。
その現場を、東京で観光バス事業を営むはとバスを訪れ取材した。
経験の浅い10代の若者も、たった1人で乗客と向き合わなければならない。
バスガイドはどのようにして育成されているのか。
その現場を、東京で観光バス事業を営むはとバスを訪れ取材した。
乗務中の「空気」が伝わる教育を
「なぜそうしないとだめなのか、細かいことでも丁寧に説明してくれます。叱るというより、諭す感じですね」。この春で入社3年目を迎える若手のガイドは、先輩の「教え方」をこう評する。これからバスに乗り込む彼女を見て、遠藤はな子インストラクターが制服の小さな乱れを注意したが、その口調や表情もいたって穏やかだった。
「インストラクター」は、ガイド教育全体の責任者だ。新人研修の計画立案の他、季節ごとに需要の多い旅行先を選び、ガイドの事前学習を行う「エリア研修」も担当。現在、遠藤さんともう1人がこの立場にある。一方、新人研修で実際に教えるのは、入社7年目以上の「トレーナー」の役目。現在12人が活躍する。
研修の在り方は、「利用者の視点」に立ったサービスの向上を目指す過程で、徐々に変化してきた。かつて新人ガイドを教えていたのは専任の指導者であり、社内に教習所も設置されていた。しかし1991年を境に、経験を積んだ現役ガイドがトレーナーとして新人の教育係を務めるようにした。「教える側が研修専門だと、バスの中でお客様と対峙する時の『空気』をつい忘れがちになるという反省がありました。教育が机上の空論にならないように、普段から現場の空気に触れている人が、教育と乗務の両方を受け持つことにしたのです」(遠藤インストラクター)
新人研修は3月半ばに始まって、断続的に7月ごろまで続くが、核心部分は初めの約40日間で、4月末には早くも初乗務の日を迎える。独り立ちをこの時期に定めているのは、春の観光需要がピークを迎えるゴールデンウィークに間に合わせるためだ。
40日間の研修内容は、大きく分けて3つのパートからなる。最初の「接遇研修」は全体の基礎となるもので、ガイドとしての心構え、失礼のない挨拶や立居振る舞いなどを、3月半ばの仮入社の翌日から2日間みっちりと叩き込む。「学生と社会人の違いを意識させるようにします。『あなたたちは給料をもらう立場にいるのです。みなさんが笑っても泣いても、遊んでいても寝ていても、会社ではみなさんに対してコストが発生しているのですよ』と」(遠藤インストラクター)
次の「机上研修」から観光案内の練習に入り、暗記に用いる教本の要点などを1週間程度で教える。そして、約20日間の「車上研修」へと進む。本番さながらにバスで都内を巡りながら、基本的な三つの観光コースを教本通りに案内できるよう研修していく。初乗務ではこのうち1コースを担当する。いわば予行演習というわけだ。
「インストラクター」は、ガイド教育全体の責任者だ。新人研修の計画立案の他、季節ごとに需要の多い旅行先を選び、ガイドの事前学習を行う「エリア研修」も担当。現在、遠藤さんともう1人がこの立場にある。一方、新人研修で実際に教えるのは、入社7年目以上の「トレーナー」の役目。現在12人が活躍する。
研修の在り方は、「利用者の視点」に立ったサービスの向上を目指す過程で、徐々に変化してきた。かつて新人ガイドを教えていたのは専任の指導者であり、社内に教習所も設置されていた。しかし1991年を境に、経験を積んだ現役ガイドがトレーナーとして新人の教育係を務めるようにした。「教える側が研修専門だと、バスの中でお客様と対峙する時の『空気』をつい忘れがちになるという反省がありました。教育が机上の空論にならないように、普段から現場の空気に触れている人が、教育と乗務の両方を受け持つことにしたのです」(遠藤インストラクター)
新人研修は3月半ばに始まって、断続的に7月ごろまで続くが、核心部分は初めの約40日間で、4月末には早くも初乗務の日を迎える。独り立ちをこの時期に定めているのは、春の観光需要がピークを迎えるゴールデンウィークに間に合わせるためだ。
40日間の研修内容は、大きく分けて3つのパートからなる。最初の「接遇研修」は全体の基礎となるもので、ガイドとしての心構え、失礼のない挨拶や立居振る舞いなどを、3月半ばの仮入社の翌日から2日間みっちりと叩き込む。「学生と社会人の違いを意識させるようにします。『あなたたちは給料をもらう立場にいるのです。みなさんが笑っても泣いても、遊んでいても寝ていても、会社ではみなさんに対してコストが発生しているのですよ』と」(遠藤インストラクター)
次の「机上研修」から観光案内の練習に入り、暗記に用いる教本の要点などを1週間程度で教える。そして、約20日間の「車上研修」へと進む。本番さながらにバスで都内を巡りながら、基本的な三つの観光コースを教本通りに案内できるよう研修していく。初乗務ではこのうち1コースを担当する。いわば予行演習というわけだ。
|
|||||||||
