BERD 2008 No.14
【特集】
ケーススタディ
profile
梅田和子
事務局教職員室教職員人事課参事・府立学校人事企画担当
うめだ かずこ
梶谷尚義
事務局教職員室教職員人事課参事・小中学校人事担当
かじたに なおよし
島崎英夫
事務局教育振興室高等学校課参事・学校経営支援担当
しまざき ひでお
山口宗久
事務局教職員室教職員人事課参事・人事制度担当
やまぐち むねひさ

BERD
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大阪府における大量退職・大量採用時代の教員育成の在り方
──柔軟な組織運営とミドルリーダーの育成によって教員の資質向上を図る──
大阪府教育委員会

左から、島崎立英夫参事、梶谷尚義参事、梅田和子参事、山口宗久参事
左から、島崎立英夫参事、梶谷尚義参事、
梅田和子参事、山口宗久参事
  全教員の約半数を50代が占めている大阪府では、今後急速に世代交代が進むことになる。
すでに小学校を中心に新規教員の大量採用も始まっている。
ベテラン教員が大量に退職する中で、管理職候補である中堅層と、経験の少ない若い教員(以下「若手教員」)をどのように育成していくのか、大阪府教育委員会に話をうかがった。
キーワード=教員採用、人事異動、指導者育成
ベテラン教員の大量退職が始まり管理職と若手教員の育成が急務に
 まずは図表1を見てほしい。これは大阪府の教員の年齢構成である。小・中・高校とも50歳以上の教員が全体の約半数を占めており、逆に30代後半から40代の中堅教員の層が極端に薄くなっている。この図表から分かるのは、これまで学校現場を支えてきたベテラン教員が、この10年以内に大量に退職していくであろうということだ。逆に次代を担う中堅層は人数が少ないため、ベテラン教員がごっそり抜けた後、管理職候補者の人材不足が深刻になることが予想される。中堅の人材不足を補うために、若い年齢層からの管理職への登用も必要になってくることだろう。
図表[1]大阪府の管理職・教員年齢構成表(2007年度)
 またベテラン教員が大量に退職することにともない、新規採用者数を大幅に増やすことも必須となる。すでに大阪府では2002年度から小学校を中心に教員の大量採用が始まっている(図表2参照)。現在はベテラン中心の年齢構成も、10年後には若手教員を中心としたものに確実に変わっていく。つまり大阪府教育委員会は今、「大量に増える若手教員の指導・育成」と「将来を担う管理職の養成」という二つの重い課題を抱えているといえる。
図表[2]大阪府の新規採用者数と最終倍率の推移
 しかし梶谷尚義参事は、こうした状況を「むしろチャンスと捉えている」と話す。
 「これまで大阪府の学校現場では、『40代が一番若手』といわれる時代が長く続いており、組織の雰囲気に新鮮さが欠けていました。そこに元気で熱意を持った若い教員が現場に入ってくるようになれば、中堅やベテランの教員も刺激を受けて、自らの授業力の向上や若手の指導などに前向きに取り組むようになることが期待できます。
 教師の力量を高めていく上で何より重要なのは、現場が活気に満ちた場であること。私たちはこの転換期をチャンスと捉えて、学校を活性化させるための仕組みづくりやサポートを行うことで、教員の資質向上を図りたいと考えています」
 今後は、大阪府に限らずどの自治体も多かれ少なかれ教員の大量退職・大量採用時代を迎えることになる。そうした中で、世代交代を進めながらの教員の資質向上を目指している大阪府の取り組みは、これからの教員育成の在り方を考える上で貴重な先行事例になるといえるだろう。以下、大阪府教委の施策を見ていきたい。
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