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社会人に求められる能力の育成とアセスメント
──イギリス・オーストラリア・アメリカの状況と日本への示唆──
星 千枝[Benesse教育研究開発センター主任研究員]
鈴木尚子[Benesse教育研究開発センター研究員]
グローバル化、IT化、少子高齢化がすすむ今、大学は変革のただなかにある。
これからの社会で大学生に求められる能力は何か。それに対して、大学に求められる能力育成・測定・証明の在り方は何か。
イギリス、オーストラリア、アメリカの先進事例をもとに、近年議論が始まった日本への示唆を考える。
これからの社会で大学生に求められる能力は何か。それに対して、大学に求められる能力育成・測定・証明の在り方は何か。
イギリス、オーストラリア、アメリカの先進事例をもとに、近年議論が始まった日本への示唆を考える。
- ※ 本稿の内容は、文部科学省平成20年度先導的大学改革推進委託事業で行われた研究を基礎としています。本研究に際しては、文部科学省や (株)ベネッセコーポレーションの支援を受けていますが、必ずしもこれらの団体を代表する見解を示すものではありません。
はじめに
日進月歩のテクノロジーで変化の激しい現代のグローバル社会では、知識を再現するだけの仕事はコンピュータに置き換えられ、人間に求められるのは未知なる課題を創意工夫して解決できるような、より高次な能力である(Levy and Murnane、2005)*1。このような能力は「ジェネリックスキル」と呼ばれ、日本人にとっても必要な高次な能力に関わるスキルとして文部科学省や経済産業省も着目している。Benesse教育研究開発センターでは、2008年、現代社会で求められるジェネリックスキル及びその評価・測定方法についてEU諸国、オーストラリア、アメリカの事例研究を行った。
本稿では、まず各国におけるジェネリックスキルに関する議論や動向を整理し、次にこれを測定・把握するアセスメントがどのようなものか、その現状と課題を分析する。さらに、「学士力」や「社会人基礎力」など近年議論が盛り上がる日本に向けた示唆を考えたい。アセスメントについては、大学の教育成果を簡便に数値化することができ、主にアメリカで利用がみられる標準テスト(standardized test)を中心に述べる。
本稿では、まず各国におけるジェネリックスキルに関する議論や動向を整理し、次にこれを測定・把握するアセスメントがどのようなものか、その現状と課題を分析する。さらに、「学士力」や「社会人基礎力」など近年議論が盛り上がる日本に向けた示唆を考えたい。アセスメントについては、大学の教育成果を簡便に数値化することができ、主にアメリカで利用がみられる標準テスト(standardized test)を中心に述べる。
- *1 Frank Levy, Richard J. Murnane(2005)“How Computerized Work and Globalization Shape Human Skill Demands”
http://www7.nationalacademies.org/cfe/Educ_21st_Century_Skills_Levy_Paper.pdf(2009.2.20確認)
ジェネリックスキルの定義
近年のテクノロジーの発達により、従来は窓口で行っていた航空機のチケット予約も、現在では電話の自動音声システムやインターネットが代替している。このような現象は日本のみではなく、世界の先進国では共通して生起している。そのような状況で社会人に求められるのは、特定の知識を単純に再現することではなく、規則性のない複雑な課題の解決策を考案したり、さまざまな人とコミュニケーションをしたりする、すべての教科や専門分野を横断して必要な汎用性のある能力である。
現代社会で求められる高次な汎用性のある能力については、key skills、employability skillsなど論じる主体によって呼び方も定義も異なる。また、スキルの構成要素も問題解決力、批判的思考力、コミュニケーション能力などさまざまである。本稿ではこのようなスキルをまとめて、「ジェネリックスキル」と呼ぶことにする。特に、労働市場との主たる接合点であり、高度な専門性を持つ人材を育成する役割を担う大学に対して、これらのスキルの育成を求める声が高まっている。
また、このような議論が起きれば、そのような能力をどのように測定・把握すべきかが大きな問題になる。例えば、国際的にみても大学生の学習成果を測定する取り組みとして、OECDのAHELO(Assessment of Higher Education Learning Outcomes:高等教育における学習成果の評価)プロジェクトが注目を集めている。プロジェクトでは、分野別専門知識(工学など)と、ジェネリックスキルの測定が検討されている。
現代社会で求められる高次な汎用性のある能力については、key skills、employability skillsなど論じる主体によって呼び方も定義も異なる。また、スキルの構成要素も問題解決力、批判的思考力、コミュニケーション能力などさまざまである。本稿ではこのようなスキルをまとめて、「ジェネリックスキル」と呼ぶことにする。特に、労働市場との主たる接合点であり、高度な専門性を持つ人材を育成する役割を担う大学に対して、これらのスキルの育成を求める声が高まっている。
また、このような議論が起きれば、そのような能力をどのように測定・把握すべきかが大きな問題になる。例えば、国際的にみても大学生の学習成果を測定する取り組みとして、OECDのAHELO(Assessment of Higher Education Learning Outcomes:高等教育における学習成果の評価)プロジェクトが注目を集めている。プロジェクトでは、分野別専門知識(工学など)と、ジェネリックスキルの測定が検討されている。
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