BERD 2008 No.15
【特集】
企画趣旨
BERD
和光保育園の園児たち
和光保育園の園児たち

【特集】 幼児期の教育・保育を展望する

 2008年3月、幼稚園教育要領の改訂と保育所保育指針の改定が同時に行われ、09年4月より施行された。これに先立つ学校教育法改正では、幼稚園が「義務教育やその後の教育の基礎を培うもの」として位置付けられ、また先般の教育基本法改正では幼児期の教育について新たに規定が設けられた。
  海外に目を向けると、OECDが幼児期の教育・保育について高い関心を寄せ、各国でカリキュラムや制度の改革が進められている。
  日本でも、保育所を含めた幼児期の教育に対する政策的な関心が高まってきているが、その背景には少子化対策としての思惑や、家庭・地域の変化に伴う幼稚園・保育所への期待がある。
  その一方で、幼児期の教育は「見えない教育方法」ともいわれるなど、特有の論じにくさ、難しさがある。しかし、幼児期の教育・保育を学校教育全体の中で考えるならば、幼保小の接続の問題としてだけでなく、生涯にわたる学習の基礎となるものとして捉えなければならない。幼児期の教育・保育について考えることは、どの学校段階に関わる教育者にとっても、極めて大切なことだといえるのではないだろうか。
  すべての子どもたちの「生きる力」を育むために、教育に何が求められるのか。そして、社会は何をすべきなのか。この特集が多くの人の関心を喚起するきっかけになれば幸いである。
(BERD編集部 岡田佐織)

1. 幼児期における教育・保育の課題
──幼児教育に対する社会的コンセンサスの必要性──
無藤 隆
2. 「子どもの生活の場」を保障するこれからの保育とは
──新・保育所保育指針が目指すもの──
大場 幸夫
3. 地域で子育て文化の再生を目指す
──千葉県・和光保育園の取り組み──
和光保育園
4. 国際的に高まる「保育の質」への関心
──長期的な縦断研究の成果を背景に──
秋田 喜代美
5. 保・幼・小・中連携推進事業を展開する京都市の取り組み
──校種を超えて地域で子どもを育てるために──
京都市教育委員会
6. データから見る幼稚園・保育所の課題
──包括的な実態調査から浮かぶ、現場の問題──
後藤 憲子
7. 幼児の生活リズムの乱れの実態と改善のための方策
──「休養」「栄養」「運動」のバランスの回復を──
前橋 明
8. 就学前教育の投資効果から見た幼児教育の意義
──就学前教育が貧困の連鎖を断つ鍵となる──
大竹 文雄
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