第7回 地域や世代の枠を超えて学外スクーリングを実施 京都造形芸術大学通信教育部 |
| 京都造形芸術大学通信教育部では、スクーリング授業において各地域の風土や文化資源を活用した現地学習を展開している。スクーリング開講地は北海道から沖縄、海外にまで及ぶ。世代の異なる受講生が、様々な地域で学び合うこのプログラムは、03年度の「特色ある大学教育支援プログラム」にも採択された。
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様々な地域の人が在籍する通信教育の特性を活用
京都造形芸術大学通信教育部は、1998年度に芸術分野の大学通信教育課程として全国で初めて開設された。芸術学科、美術科、デザイン科の3学科の下に芸術学、歴史遺産、陶芸、建築デザイン、ランドスケープデザインといった12コースが設けられ、現在6009人の学生が在籍している。開設に伴って東京にサテライトキャンパスを設けたこともあり、関東、近畿圏を中心に、北海道や沖縄など全国各地から学生が集まっている。
修業年限は4年で、自宅で教材を使ってレポートを書いたり、作品を制作するテキスト科目と、スクーリング科目で構成される。4年次には1年間かけて卒業制作に取り組み、その成果は京都の瓜生山キャンパスの卒業制作展で披露する。こうした同課程のプログラムの中で全国的に注目を集めているのが、様々な地域で開講し、その土地の文化や風土を学ぶ学外スクーリングだ。
「通信教育は、様々な地域の人が在籍しているのが特性。そこに着目し、学生が暮らす地域の芸術資源やそこでの学生同士の触れ合いを、教材として最大限活用することにしたわけです」と、通信教育部の上村博教授は言う。
例えば「芸術環境演習2」という科目では、長野、京都、高知、イタリアなどで各3日間の日程で八つの講座が開かれる。そのうち興味のあるものを一つ選んで受講すれば、単位が修得できる仕組みだ。ただし、学外スクーリングでは各地域の文化をテーマに授業を行うため、開講地によってかなり内容が異なる。この科目でも、長野県猶川町の講座では漆塗りを体験し、京都の法然院の講座ではお寺で香文化について講義を受け聞香(もんこう)する。このような体験に惹かれて、すでに単位を修得していても他地域の講座への参加を望む学生も少なくなく、同課程では複数受講でき単位も認定される特別履修制度を設けている。各地域での講座には、開講地近辺だけではなく全国各地から学生が集まるという。
同課程の学生の年齢層は18〜92歳までと多様だ。全体の60%近くを占めるのは20代後半〜30代だが、芸術という分野の特性を反映し、生涯学習として入学する人も多く、50歳以上の学生も15%を占める。プロとしてその分野の仕事に従事している人もいれば初心者もいて、知識・技術の格差も大きい。多様な背景を持った学生が、学外スクーリングで数日間一緒に行動することで互いに受ける刺激は大きいという。
02年度の学生アンケート調査では、「老若男女様々な人たちと触れ合ったり、互いの作品を見たりするなかで、人生観が広がった」(25歳女性)、「同一の目的、夢をもって集まる孫のような人たちと接することで、精神的に非常に若返った」(67歳男性)、「最初は資格が目的だったが、いろいろと知ることが面白くなり、学ぶことが目的に変わった」(36歳女性)といった感想が寄せられた。
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