特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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地域社会と全国を見据え
複数のネットワークを構築

大阪府立大学

大阪府立大学は、関西の大学との連携による地域活性化に
積極的に取り組んでいる。
その一方で、2007年度は大阪市立大学と、2008年度は首都大学東京と
連携協定を締結し、共通点の多い公立大学同士の連携を推進。
地域の壁を超えた連携により、全国への発信力を強化する。

地域活性化への貢献を念頭に
関西の大学と連携を強化

軸になる2つの連携事業

 大阪府立大学は、現在、関西の大学と連携し、性格の異なる2つの連携事業を進めている。1つは南大阪地域の6大学が、キャリア教育や生涯学習プログラムにおいて連携する「実践力のある地域人材の輩出」、もう1つは関西の4大学が「食の大学院」の設立をめざす「世界の食を支える知の拠点の構築」だ。 
 事業内容は異なるが、関西の大学との連携によって、地域活性化を図るという共通のねらいがある。
 前者は、「南大阪地域大学コンソーシアム」が中心的な役割を担う6つの大学による事業。同コンソーシアムでは、2005年から経済産業省委託事業としてキャリア教育プログラムの開発に力を入れてきた。
 今回の事業の目的は、社会に求められる人材の育成、および地域社会における人材定着に向けた橋渡し機能の構築、並びに各大学のキャリア教育などにおける重複業務を集約し、効率化を図ることだ。「各大学は個別にキャリア教育を進めているが、協同によってさらに効率化を図り、大きな成果を生み出したい」と、奥野武俊副学長は語る。

図

 事業の柱の一つが大学連携キャリアセンターの設立だ。各大学の重複業務を集約するとともに、共同プログラム開発の拠点としての役割を担う。在学生や卒業生を対象とした人材育成、第二新卒者の支援、インターンシップの実施、さらに自治体の人材バンクとの連携事業などの多彩な機能を持たせる。
 そのほか、各大学において「人間力を高める基礎力」を育てるキャリア教育科目の導入に加え、公開講座やエクステンション講座として、自治体の人材バンクと連携した生涯学習プログラムの準備を進める。
 一方、大阪府立大学を中心に、関西の4大学が日本初の「食の大学院」設立に向けた連携に取り組んでいる。関西の食文化にスポットを当て、地域活性化をめざす事業だ。大阪府内にある調理師の専門学校も構想の初期から参加している。計画の背景には、以前から食関係の産業界が食専門の大学の設立を熱望していたこともあり、現在は準備段階として、食学プラットホームの構築を進めている。 
 大学院は、2009年度に制度化される共同大学院制度を活用して設立する考えで、調理学や栄養学、農学、医学、バイオサイエンスといった食関連の領域の統合による新たな学問領域の確立や、世界に通用する食のプロフェッショナル育成などをめざしている。
 大阪府立大学がこれらの連携事業を円滑に進められる背景には、「総合調整室」の存在が大きい。約15人の職員が、主に大学間連携や大学評価に取り組む。学長直属の組織のため、スピーディに動けるのが最大のメリットだ。今回の連携事業でも、この組織が対外的な窓口となった。
 他大学と学内を結ぶ橋渡し的な存在の有無が、大学連携の成否を握るといえる。


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