第1回 中学校英語に関する基本調査報告書【教員調査・生徒調査】

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分析編

分析7 公立中学校と私立中学校における英語指導の特徴
       〜「教員調査」の結果から〜


早稲田大学専任講師 鈴木 利彦

 今回の「教員調査」の結果から、「公立中学校と私立中学校の異なる傾向」をテーマに、両者の違いが顕著に現れていると考えられる事項を抽出し、それらの違いが何に起因するか、個々の背景に関する考察を行いながら全体像をまとめていく。本稿で取り扱うテーマは次の通りである:(1)調査結果の概要、(2)勤務校のある地域、(3)教育システム、(4)学校の特色と風潮における違い、(5)授業に関する傾向、(6)小学校英語に対する姿勢。

1.調査結果の概要

本稿は「教員調査」の調査対象者総計3,943名から、公立中学校に勤務する教員(3,643名)と私立中学校の教員(279名)のデータを抽出し、その傾向の違いを分析することを主眼としている。最近では都市部を中心として私立中学受験が盛んになってきており、公立でも中高一貫校が増えてきている。ある意味で公立が私立をモデルにして制度改革を進めているケースもみられるが、都市部を除けば私立中学進学者は全国的には少数であり、大多数は公立中学校に進学している(1)

2.「勤務校のある地域」に関して

本調査(「教員調査」)の調査対象者が勤務する私立中学校の分布をみると、「都市郊外の住宅地域」(44.1%)、「都市中心部の住宅地域」(37.6%)、「都市中心部の商業地域」(12.2%)、「農林漁業地域」(4.3%)と、ほぼ都市部に集中していることがわかる。これに対し公立中学校の分布は、「都市郊外の住宅地域」(40.2%)、「農林漁業地域」(39.4%)、「都市中心部の住宅地域」(12.2%)、「都市中心部の商業地域」(5.2%)、「工業地域」(1.8%)の順となっており、「農林漁業地域」のサンプルも多く含まれている(図表省略)。つまり、本調査の結果では私立中学校が都市部の学校の傾向を色濃く反映する「均一性」を表し、公立中学校の調査結果はさまざまな地域の事情を反映する公立の「多様性」を示すと考えられる。

居住地域による中学校選択に関する意識・行動の違いに関しては、『中学校選択に関する調査報告書』のデータが参考となり、この先行研究の結果もふまえた上で今回の公立・私立間の異なる傾向の考察を試みていきたい。

<注>
(1) Benesse教育研究開発センター, 2008, 『中学校選択に関する調査報告書』潟xネッセコーポレーション

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