第7章 日韓高校生のライティングに関する詳細分析
〜答案分析を中心に
東京外国語大学大学院博士後期課程 井上千尋
1.背景・目的
本章は、今回の調査結果の中でも、日本と韓国の違いが顕著だった、英語コミュニケーション能力調査でのライティングの結果を取り上げ、アンケート項目の分析と実際に生徒たちが書いた答案の分析をあわせて行うことで、結果を詳細に検討し考察を加えようとするものである。
今回の調査における日韓の3技能の平均スコアの結果をみると、ライティングの結果に関して2つの疑問が出てくる。まず、韓国のライティングのスコアがリーディング、リスニングに比べて、かなり低いことについてである。今回の調査におけるライティングの平均スコアは、日本が91.4点、韓国は66.5点であった(表7-1)。グレードの分布をみても、日本の最頻グレードが3であるのに対し、韓国の最頻グレードは2と低いことがわかる(図7-1)。他技能では、韓国はリスニングで20点以上、リーディングで50点以上も日本の平均スコアを上回っている(表7-1)というのに、なぜライティングはこのように低いのだろうか。

