学力向上のための基本調査2008・中間報告
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● Topics 2 宿題に取り組ませる総合的な工夫 ●

 子どもたちの宿題に対する効果意識を踏まえ、宿題に取り組ませる多面的な工夫を考える。

 前述の図表5−1では、子どもたちの「宿題の種類・内容別の取り組み度合い」と「宿題に対する評価・感想」との関連を、また、図表6−1では「宿題の種類・内容別の取り組み度合い」と「宿題の効果認識」との関連を探り、「宿題の在り方」を考える上でのいくつかの視点を示した。ここでは、改めて「宿題に対する評価・感想」と「宿題の効果認識」との関連を探ることで、宿題に取り組ませる工夫についてみていきたい。

図表T2-1 「宿題の感想・評価」項目の肯定・否定による「宿題の効果認識」の違い(小5生)

 図表T2−1は、「宿題に対する評価・感想(問12)」の違い(肯定Vs 否定)による「宿題の効果認識(問13)」の違いを示している。ここでは、「宿題に対する評価・感想」に関する項目を「(T)めあてややり方の明確さ」、「(U)やりたくなる課題」、「(V)宿題への指導と評価」の3要因に分類した上で、その代表的な項目を3つ取り上げている。また、「宿題の効果認識」については、図表6−1に示した「学習習慣形成」「情意的側面」「学力定着的側面」の3要因の中から、それぞれ「自分で何を勉強すればよいかわかるようになった(問13−(4))」、「授業を受けるのが楽しみになった(問13 −(5))」、「授業で習ったことがしっかりと身につくようになった(問13−(1))」の3項目を選び、「宿題に対する評価・感想」とのクロスをとった。


 この図表からは、例えば、「宿題のめあてややり方が示されているので取り組みやすい」という項目に対する肯定群と否定群を比べると、「自分で何を勉強すればよいかわかるようになった」とするトップボックスの割合は肯定群42.7%、否定群16.6 %と大きな開きが見られる。同様に「授業を受けるのが楽しみになった」でも肯定群36.2 %、否定群14.3 %、「授業で習ったことがしっかりと身につくようになった」でも肯定群47.6 %、否定群22.3 %といずれも2倍以上の開きが見られ、宿題のめあてややり方を明確に示すことが、学習習慣の形成、授業への期待、学力の定着のいずれの側面からも効果があることがわかる。


 宿題に対する評価・感想の他の2項目(問12−(6)、問12−(4))についても、宿題の効果認識は肯定群>否定群となり、子どもたちをして宿題に取り組ませ、かつその効果を実感させるための工夫としては、「めあてややり方を明確に示す」「やりたくなるような課題を用意する」「宿題への指導と評価をきちんと行う」といったことが重要になってくることがわかる。


 なお、すでに見てきたように、子どもの家庭学習を充実させる保護者の働きかけも教師との連携上重要なことは言うまでもない。ここ数年、全国的な学力向上の取り組みにより「宿題の量」は増えている。ただ、ドリル的なものや練習問題が多く、子どもの総合的な力を育む観点からの課題の設計や、出題後の指導・評価については工夫・改善の余地は大きい。宿題をきちんとしてくることで授業の水準が向上していくような、授業改善と結びつけた宿題(家庭学習)の在り方を構想した上で、教師個人の域を超えた学校組織全体、さらには保護者を巻き込んだ「総合的な取り組み」が、本当の意味で「子どもが宿題に取り組む工夫」となっていくのではないだろうか。

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