子どものICT利用実態調査
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◆第5章 インタビュー調査の結果から◆

 第7節 まとめ

 今回のインタビュー調査では、質問紙調査だけではつかみにくい子どもの世界を垣間見ることによって、小・中・高校生なりの言い分や論理を知ることができた。ここでは、このインタビュー調査の結果を簡単に振り返る。

 第1に、今回の調査目的は、質問紙調査で明らかになった実態を裏付ける事例を集めることだった。とくに携帯電話を使ったメールに注目すると、携帯電話やパソコンは子どもの生活に深く浸透しているようにみえるものの、学校段階があがるにつれて距離が出てくるようだ。また、学校も指導をある程度行っていることが確認された。

 第2の目的は、コミュニケーションの広がりや学習に関する携帯電話やパソコンの特性について把握することであった。まず、携帯電話のメールや掲示板機能によるコミュニケーションは、使える手段をうまく選択して友人関係を良好に築いていけるというプラスの効果があるといえるだろう。とくに対面コミュニケーションに苦手意識のある子どもにとっては大きな武器である。しかし、「すぐに返信すべき」という規範によって、相手のメールにつられて、十分に考えないまま機械的に返事をしてしまう様子もうかがわれた。

 また、インターネットの利用で社会への関心が高められる可能性があり、携帯電話やパソコンは子どもたちの視野を早い段階から広げるかもしれない。インターネットは、子どもたちにとってゲームなどの遊びに使うメディアでもあることから、新聞などより気軽な気持ちでニュースに触れることができる。さらに、今回の調査では、学習ソフトを利用している小・中学生が、映像や音声による説明のわかりやすさ、ゲーム的な作りによる取り組みやすさといった利点を指摘していた。ICTメディアについて、今後はこういった使い方を伸ばしていくことも考えられるだろう。

 第3の目的は、携帯電話やパソコンに関するトラブルや危険に対する子どもの認識を調べることにより、今後の課題を検討する材料にすることであった。全体を通して、リスク意識が希薄な点に対して、学校側がただ注意を喚起しても、子どもには深刻さが理解できず、十分には納得できない。たとえば「個人情報」という言葉も、彼らのなかで具体的な意味を持たず、それがもたらす被害をイメージできていないように思われた。プロフにしても、自分の情報が不特定多数に向けて公開されているという意識はあまりなく、学校の仲間内の、閉ざされた安全な世界がそのままネット上に持ち込まれている感覚のようだ。

 このように、インターネットをとおしたコミュニケーション手段がもたらす利点に比較して、リスクの実感が乏しい現状では、子どもたちに無防備なインターネット利用を留まらせることは難しい。もし、大人が子どもにインターネットを利用するときには気をつけてほしいと思うなら、「何をすると」「どのような過程で」「どのような被害を受けるのか」を具体的に理解させることが重要だろう。まずは、大人が子どもの理屈に耳を傾け、対話をとおして問題を解決していくことが大切ではないだろうか。

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