第3回子育て生活基本調査(幼児版)

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第1部 全体の調査結果/第1章 子どもとのかかわり

子どもとのかかわりについて ── 分析結果からみえること ──

 第1節では、家庭でのしつけや教育方針、第2節では、日ごろの子どもとのかかわりやその中で感じていること、第3節では、母親が子どもと一緒にしていること(早期教育も含む)、について調査結果を紹介してきた。本節では、今回の分析でわかったことについてまとめて考察したい。

◆経年比較からわかること

今回(2008年)の調査を含め、これまでに合計3回、同様の枠組みで調査が行われた。それらの調査結果に基づき、経年比較を行った。

第1節の家庭でのしつけや教育方針については、97年調査、03年調査、そして今回(08年調査)の経年比較を行った。分析結果から明らかなことは、この5年の間(03年調査→08年調査)に、母親がしつけを重視する態度が明確になったということである。97年調査は、03年調査、08年調査と調査方法が異なり、また調査項目について追加・変更・削除があったため、正確な比較はできないが、それでも全体的な傾向としては、97年調査から03年調査にかけてしつけをあまり重視しない方向に動き、その後08年調査にかけてしつけをかなり重視する方向に動いたといえる。さらにいえば、08年調査におけるしつけ重視の傾向は97年調査以上のものである。

とくに重視されるようになったしつけとは、「朝起きる時間や夜寝る時間など規則正しい生活リズムが身につくようにしつけている」と「テレビゲームや携帯ゲーム機で遊ぶ時間は決めている」である。前者は、規則正しい生活リズムを形成することであり、後者は、ゲームで遊ぶ時間を制限することである。子どもの生活のリズムは、テレビゲームや携帯ゲーム機の普及によってかなり乱されるようになったと思われる。その意味では、子どもの規則正しい生活リズムの形成が、もっとも重要視されるしつけであると考えられる。

第2節の日ごろの子どもとのかかわりやその中で感じていることは、比較できるデータは03年調査のもののみである。当該データと比べると、今回は大きな変化はみられなかった。第1節の家庭のしつけや教育方針と、第2節の母親の育児行動とがうまく対応していないため、態度の変化と行動の変化の対応状況を検討することはできなかった。しかし、この経年比較では、「子どもにブランドの洋服を買って着せる」という項目への肯定的な回答の減少が明らかになった。これはおそらく、しつけ重視の中でも堅実なしつけ志向が強くなっていることを示しているように思われる。

第3節の母親が子どもと一緒にすること(早期教育も含む)でも、03年調査と経年比較を行った。数値化をして比較した結果、「ひらがなやカタカナの学習をする」と「数や算数の学習をする」という項目に増加傾向がみられた。とくに、前者の文字の学習については、第1節の家庭のしつけや教育方針の中に「小学校入学までに読み書きができるよう心がけている」という項目があるため、それとの関係も検討できた。すなわち、この項目では03年調査から08年調査にかけて5.1%の選択率の上昇が認められるが、文字の学習も週に1.4日から1.6日という上昇が認められるのである。これは一例でしかないが、しつけ重視の態度は、それを現実のものとする育児行動に、しっかり反映されているものといえる。また、おそらくは数や算数の学習の増加も、しつけ重視の態度に基づくものと考えられる。ただ、しつけを重視する態度は、パソコンを使用する遊びや学習には反映されることがなく、実際には減少をもたらしていた。しつけ重視の態度は、第2節の経年比較の結果と同様に、あまりお金のかからない堅実な学習を促進しているように思われる。

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