第2章 教員の意見
概 略
英語教育に対する賛否について、いくつかの段階に分けて教員にたずねた。まず、(1)「小学校で英語教育を行うことについて」賛否をたずねたところ、約7割が「賛成」(賛成+どちらかといえば賛成)と回答しており、小学校で英語を教えること自体への抵抗感は少ない。次に、(2)「小学校で英語教育を必修にすることについて」は、「賛成」は36.8%と、(1)の約半数に減る。さらに(3)「国語や算数などのように、小学校で英語を教科として扱うことについて」も賛否をたずねると、「賛成」はさらに24.3%に減る。必修化や教科化というように、どの学校でも必ず一定時間数英語を教えたり、評価・評定が必要となることに対しては、反対意見が多いのが現状である。
小学校で英語教育を行うとしたら、どんなことが重要だと思うかをたずねたところ、9割以上が、「英語に対する抵抗感をなくすこと」「英語の音やリズムに触れたり、慣れたりすること」「外国の人と交流すること」が「重要」(とても+まあ)だと考えている。これに対して、「英語の文字や文章を読むこと」「英語の文字や文章を書くこと」は、「重要」という回答が少ないが、これは現在の実施状況を反映している結果ともいえる。
小学校で英語教育を行う場合、望ましいと考える学年をたずねたところ、「小学校1 年生」45.6%がもっとも多く、これに「小学校3年生」20.5%が続く。これを英語教育の担当経験の有無別にもみると、担当経験がある教員の方が、「小学校1年生」と回答する割合が高い。経験にもとづく回答ともいえるだろう。
英語教育に関する、教育内容の決め方と指導者について、教員に意見をたずねた。まず、教育内容の決め方について、「国が定めた方がいい」か、「各学校や教育委員会が判断すべき」かについて、どちらがいいか意見を求めたところ、回答は二分された。現在のところ、英語については学習指導要領にはないが、これに近いガイドラインの必要性はあり、一方では各学校や教育委員会に裁量が残る教育内容の決め方も望まれていることがうかがえる。
また、指導者について、「専門の先生(専科)」と「学級担任」とどちらがよいと思うかをたずねたところ、「専門の先生(専科)」がよいという回答が、多数を占めた。しかし、現在、「学級担任」が中心となって指導している場合は、「学級担任」との回答も相対的に多くなる。実際に「学級担任」が中心となって教えている場合は、ある一定の手ごたえも感じているのではないだろうか。英語を指導することに対する教員の不安が、「専門の先生(専科)」という回答を多くしていると推察できるが、第1章でみたような条件整備が教員の不安を解消することにつながると考えられる。
英語教育に関するいくつかの項目に対する意識についてたずねた。「今後の国際環境を考えると、英語が話せるようになることは必要だ」「英語はできるだけ早い時期から学ぶのがよい」と考えている教員は多く、小学校教員も英語教育の必要性や一定の効果を認識しているようだ。ただ、「授業をあと1 時間増やせるのなら『英語』がよい」と思っている教員はそれほど多くはなかった。
最後に、すべての子どもが大人までに身につける必要がある英語力についてたずねたところ、「挨拶や簡単なやりとりなどの平易なコミュニケーションができる程度の英語力」49.6%という回答がもっとも多く、「日常生活において通常のコミュニケーションができる程度の英語力」37.3%が続いた。さらにこれを、英語教育に対する賛否別にもみたところ、「日常生活において通常のコミュニケーションができる程度の英語力」や「必ずしもすべての子どもが英語を身につける必要はない」で、差が見られた。小学校英語に対する賛否と、将来、身につけるべき英語力についての認識は関連があるといえるが、今後、小学校のみではなく、英語教育全体の目標設定も重要な課題のひとつになるといえるだろう。
