韓国における小学校英語の成果と課題 〜保護者の意識調査をもとに〜
星槎大学准教授
金泰勲
金泰勲
韓国では今から10年前に小学校英語が導入されている。先んじて小学校英語が導入された韓国では、どのような状況だったのだろうか。日本の小学校英語の今後を考える上でも参考になる、韓国のこれまでと現在の状況をみてみよう。
●韓国における小学校英語導入の流れ
韓国の「初等学校」(日本の小学校に該当する)では、現在3年生から実施されている英語教育を、2006年9月から2008年8月まで、全国の初等学校50校の1・2年生を対象に試験的に実施されることになった。これは、2006年1月11日に公表された「教育人的資源部」(日本の文部科学省に該当する)の「第2次国家人的資源開発基本計画」にもとづくもので、これには2006年下半期から2年間、初等学校1・2年生を対象に試験的に英語教育を実施し、成果分析を通して、現在3年生から実施されている英語教育を、2008年度から1年生にまで拡大、実施することが明記されている。このため、教育人的資源部では、1校あたり年間4,800万ウォン(1円≒ 7.6ウォンとして、約630万円)ずつ、2年間支援することを定めた。
韓国の初等学校における英語教育は、1981年より4年生以上の児童を対象に「特別活動」の中で始まった。その後、1988年、学校毎に自由な学習活動を行うことができる「裁量時間」(日本の「総合的な学習の時間」に該当する)を利用しながら、初等学校5・6年生を対象に実施されることとなった。
そして、1994年、韓国が世界貿易機構(WTO)に加盟したことをきっかけに、「世界化」(国際化)政策の一環として、初等学校における英語教育の必修化が具体化された。それが、1995年2月に「世界化推進委員会」から大統領に提出された「初等学校における英語教育に関する報告書」である。これにもとづき、同年3月には「教育部」(現在の「教育人的資源部」)が「初等学校における英語教科新設のための教育課程改善計画」を発表した。改善計画をめぐる、「教育課程審議会」の審議に加え、アンケート、公聴会、セミナー等が開催され、同年11月に、1997年より初等学校3年生から英語を正規の必修科目とすることが告示された。その後2年間の試験実施ののち、1997年に必修化された。
韓国の初等学校における英語教育は、1981年より4年生以上の児童を対象に「特別活動」の中で始まった。その後、1988年、学校毎に自由な学習活動を行うことができる「裁量時間」(日本の「総合的な学習の時間」に該当する)を利用しながら、初等学校5・6年生を対象に実施されることとなった。
そして、1994年、韓国が世界貿易機構(WTO)に加盟したことをきっかけに、「世界化」(国際化)政策の一環として、初等学校における英語教育の必修化が具体化された。それが、1995年2月に「世界化推進委員会」から大統領に提出された「初等学校における英語教育に関する報告書」である。これにもとづき、同年3月には「教育部」(現在の「教育人的資源部」)が「初等学校における英語教科新設のための教育課程改善計画」を発表した。改善計画をめぐる、「教育課程審議会」の審議に加え、アンケート、公聴会、セミナー等が開催され、同年11月に、1997年より初等学校3年生から英語を正規の必修科目とすることが告示された。その後2年間の試験実施ののち、1997年に必修化された。
●小学校英語をめぐる保護者の意識
必修化をめぐっては、反対する立場から、「中学校英語教育においても改善点が多いにもかかわらず、初等学校段階において英語教育を行うことは何ら問題解決にならない」「母国語に対する理解も完全でない状態の中で英語を教えれば、国家観の獲得等の障害になる」などの意見が出された。他方、賛成する立場からは、「グローバル化時代到来に対応する上で、必然的に英語を習得しなければならなくなっている」「外国語習得は経験上、早ければ早いほど効果がある」「一流企業に就職するためには英語の学習は当然である」等の意見があった。当時、保護者を中心に行った調査によると、必修化の賛成意見が多数を占めた。
例えば、1995年2月に、民間の調査機関であるコリアリサーチが保護者を対象に行った「初等学校で英語科を正規の教科とすること」に関する調査によると、68%がこれに賛成している。賛成の理由としては、多くの保護者が「子どもを能力のある国際人として育み、時代の変化に対応し、質の高い文化人としての生活を営むことができるから」をあげていた。同年5 月に「韓国教育開発院」(KEDI)が、教育部の委託を受けて保護者を対象に行った「初等学校における英語科を正規の教科とすること」に関する調査においても、82.3%がこれに賛成した。賛成の理由としては、多くの保護者が「英語が、大手企業などへの就職のためには必要不可欠」であり、「国際化の社会に生きるためには必要だから」をあげていた。1995年の英語導入から10年目を迎えた2005年、教育人的資料部の委託により、京仁教育大学の朴ヤグ教授が中心になり、全国の幼稚園と初等学校の保護者を対象に行った「初等学校1年生からの英語教育の導入における課題や実態などに関する意識調査」によると、幼稚園の保護者の84.7%が幼稚園からの英語教育の必要性を求めている。この結果を地域別にみると、大都市の場合は91.9%、中・小都市では77.5%の保護者が英語教育を幼稚園から導入することに賛成している。要するに、英語教育の導入以来、その必要性が10年前より非常に高くなり、低年齢からの導入を求めていることがうかがえる。
また、初等学校1・2年生に英語教育を導入することに対しては、幼児・初等英語専門学院であるYBM/ECCの調査によると、保護者の95%が英語教育の導入を支持し、99%がそのために保護者自らが英語学習をすると答えている。賛成の理由としては、「自らが英語で苦労したから」「外国人とのコミュニケーションのため」が多くを占めていたが、中には「家族で海外の旅行先でトラブルが生じ、大人が一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしたが、通じなく、中学生の子どもの一言で問題が解決できた」という理由もあった。
例えば、1995年2月に、民間の調査機関であるコリアリサーチが保護者を対象に行った「初等学校で英語科を正規の教科とすること」に関する調査によると、68%がこれに賛成している。賛成の理由としては、多くの保護者が「子どもを能力のある国際人として育み、時代の変化に対応し、質の高い文化人としての生活を営むことができるから」をあげていた。同年5 月に「韓国教育開発院」(KEDI)が、教育部の委託を受けて保護者を対象に行った「初等学校における英語科を正規の教科とすること」に関する調査においても、82.3%がこれに賛成した。賛成の理由としては、多くの保護者が「英語が、大手企業などへの就職のためには必要不可欠」であり、「国際化の社会に生きるためには必要だから」をあげていた。1995年の英語導入から10年目を迎えた2005年、教育人的資料部の委託により、京仁教育大学の朴ヤグ教授が中心になり、全国の幼稚園と初等学校の保護者を対象に行った「初等学校1年生からの英語教育の導入における課題や実態などに関する意識調査」によると、幼稚園の保護者の84.7%が幼稚園からの英語教育の必要性を求めている。この結果を地域別にみると、大都市の場合は91.9%、中・小都市では77.5%の保護者が英語教育を幼稚園から導入することに賛成している。要するに、英語教育の導入以来、その必要性が10年前より非常に高くなり、低年齢からの導入を求めていることがうかがえる。
また、初等学校1・2年生に英語教育を導入することに対しては、幼児・初等英語専門学院であるYBM/ECCの調査によると、保護者の95%が英語教育の導入を支持し、99%がそのために保護者自らが英語学習をすると答えている。賛成の理由としては、「自らが英語で苦労したから」「外国人とのコミュニケーションのため」が多くを占めていたが、中には「家族で海外の旅行先でトラブルが生じ、大人が一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしたが、通じなく、中学生の子どもの一言で問題が解決できた」という理由もあった。
