Pick UP 教育データ 第36回 教科指導を得意とする小学校教員は少ない!?
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第36回

教科指導を得意とする小学校教員は少ない!?

最近では学校に求められる役割が拡大していると言われます。しかし、学校教育の中で教科学習に関する指導が大きな位置を占めていることに変わりはありません。それでは、学校の先生(ここでは小学校教員の場合を取り上げます)は、どの程度、教科指導を得意と感じているのでしょうか。このことからも、日本の教育の重要な課題が見えてきます。  (初出2008/4/15:教育情報サイト)

 小学校教員は特に理科と社会、総合的な学習の時間が苦手

第4回学習指導基本調査では、小学校の教員に対して各教科や領域の指導が得意かどうかを聞いています。その結果をあらわしたのが【図1】です。この図から、たとえば国語については、「得意」と答えた教員の割合が8.8%、「どちらかというと得意」が50.7%、「どちらかというと苦手」が35.5%、「苦手」が3.8%であることがわかります。以下、各教科や領域の指導を得意、不得意と答えている教員の割合が示されています。

【図1】  各教科や領域の指導に対する得意・不得意(小学校教員)



図1
出典:「第4回学習指導基本調査」(2008 Benesse教育研究開発センター)
このデータを見て、次のようなことが注目されると思います。

(1)どの教科・領域についても指導を「得意」とする小学校教員の割合は多くない
「得意」の割合は、算数を除けば、どの教科・領域も1割に達していません。「どちらかというと得意」を加えれば、算数と国語は半数を超えますが、他の教科や領域は5割以下にとどまっています。

(2)算数の指導を得意とするものは、他の教科や領域と比べて多い
算数の指導について「得意」が19.6%、「どちらかというと得意」が66.4%で、あわせて86.0%になります。ドリル演習など、ある程度、指導方法が確立しやすいという面があるのかもしれません。

(3)特に、理科・社会・総合的な学習の時間を苦手とする教員が半数前後になる
「苦手」と「どちらかというと苦手」をあわせて、割合が多い順に、総合的な学習の時間が57.8%、社会が50.2%、理科が49.5%です。これらの教科・領域は豊富な知識や経験が必要で、活動を伴うことが影響しているのかもしれません。

こうした割合をどうとらえるか(多い、少ないなど)は、比較するものがありませんので、ある程度、主観的な判断になります。しかし、仮に国語・社会・算数・理科が「得意」と答えた教員の重なりがないとして、これらの割合を足しても4割強にとどまっています。つまり、この4教科のどれも「得意」と答えなかった教員が少なくとも5割以上いることになります。教員が子どもに学習を指導する職業であることを考えると、もう少し「得意」の割合が多くなることを期待したいと感じる人は少なくないはずです。

今年の3月に告示された新しい学習指導要領では、基礎的な知識・技能の習得だけでなく、それらを活用する力を伸ばすことや、新たに小学5・6年生での外国語活動(主として英語)を必修化することなどが示されています。それだけ指導の範囲が広がり、質のレベルアップも求められることになります。ここで紹介したデータが現実だとすれば、新学習指導要領に示されていることを達成するには、教員の増員、研修の強化、外部人材の活用など、さまざまなサポートが不可欠と思われます。それと同時に学校(教員)の負担(役割)を軽減していくことも必要だと思います。

全国で小中学校あわせて約3万4,000校あることを考えれば、行政による支援よりも、個々の学校に関わる保護者や地域住民による支援のほうが大きく作用することが想像されます。日本では、欧米諸国のように地域ボランティアが学校教育に関わることは、まだ盛んとは言えませんが、自分たちの地域の学校を自分たちで育てていくことが、当たり前のこととして行われるような社会をつくっていくことが求められているのではないでしょうか。

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