法科大学院の見直しを検討していた中央教育審議会の特別委員会はこのほど、
最終報告をまとめました。その中で、入試倍率が低い法科大学院の定員を削減することを打ち出しています。これにより2010(平成22)年度から法科大学院の再編が進むことになりそうで、法学部の志願動向にも大きな影響を与えることは必至です。
法科大学院は2004(平成16)年度に創設された新しい制度で、将来的に司法試験は、一部の例外を除いて法科大学院修了者しか受験できなくなります。つまり、弁護士などになるには、原則として法科大学院に入学しなければならないわけです。
文部科学省や法務省は当初、法科大学院修了者の7〜8割が司法試験に合格して法曹になれるよう、制度設計をしていました。しかし、実際には国公私立合わせて74校と予想以上に多くの法科大学院が設立されたことや、司法試験合格者数の拡大が法曹関係者らの反対で進まなかったことなどにより、法科大学院修了者の司法試験合格率は3割程度となっています。このため46校が定員割れを起こすほど法科大学院全体の競争率は年々低下し、それに伴って学生の質も低下していると言われています。
また、第三者機関による外部評価で「不適合」と評価される大学院もあることなどから、法科大学院の教育の質を疑問視する向きもあります。
特別委員会の最終報告では、競争倍率が2倍を下回っている法科大学院は入学定員の削減が「不可欠」であるとしています。現在、そうした法科大学院は、全体の3分の1に上っています。
さらに、「質の高い教員の数を確保することが困難」「競争倍率が低いため質の高い入学者を確保することが困難」「修了者の多くが司法試験に合格しない状況が継続」という三つの条件を挙げて、これに該当する法科大学院は、「主体的に平成22年度の入学定員の削減」を行うよう求めています。特に、司法試験の合格者がまったくいないか、極端に少ない法科大学院については「抜本的な見直し」が必要であると強調し、事実上、廃校やほかの大学院との統廃合を行うことをすすめています。
定員削減はあくまで「自主的」なものですが、多くの法科大学院が、2010(平成22)年度からの定員削減に向けて、検討に入っているようです。既に東京大学と京都大学の法科大学院が、それぞれ2010(平成22)年度に定員を削減することを決めています。両大学は定員割れや競争倍率の低下などとは関係ないのですが、増えすぎた法科大学院の定員を減らすという大きな流れのなかで、定員削減の先導的役割を担おうとしているものと思われます。
いずれにしろ、「日本版ロースクール」として鳴り物入りで創設された法科大学院は、来年度に大きな曲がり角を迎えることになりそうです。