では、保護者はどのようなことについて、緊急時の備えに不安を感じているのでしょうか。
【図6 緊急時の備えについてあなたが不安に思うことは以下のうちどのようなことでしょうか。それぞれについて、不安度をお選びください】
(参考)【図1 お宅では、地震・台風その他の天災・トラブル(停電や断水など)のために備えていることはありますか? あてはまるものをすべてお選びください】
不安を感じている割合が最も高かったのは、「病院や治療薬を確保できるか」について。不安を感じている家庭は、約9割に達しました。災害時には負傷者が大勢出るため、医師の治療を受けるまで時間がかかったり、必要な薬が不足したりすることも珍しくありません。
また、今回の調査では、図1で「応急手当の仕方」を確認していない家庭が多いことがわかっています。応急手当の知識があいまいであることも、多くの保護者が「病院や治療薬の確保」に不安を感じる原因かもしれません。
ほかには、「避難や災害情報の入手ルート」「家族との連絡のとり方」「災害対策用グッズ」などについての不安が多く、8割以上の保護者が心配していました。具体的には、「情報が交錯する災害時に混乱せずに行動するためには、何を頼りにしたらよいでしょうか」「学校の連絡網は電話によっているので、何かあった時に保護者が家にいなければ通じません。不安です」「防災グッズを用意しても、非常食の賞味期限が切れていないか不安になります」といった声が寄せられています。
次に、居住地域が防災訓練を実施しているか、また、地域の防災訓練にどれくらい参加しているかを伺いました。
【図7 あなたの地域(または集合住宅単位)では、地震や水害、火災など緊急時に備えた訓練がありますか?】
【図8 図7について、あなたの参加度をお聞かせください】
【図7のあなたの参加度について、理由や、参加した時の内容についてもお書きください】
- AEDの使い方をていねいに教えてくれ、使い方を覚えることができました
- 町内会の防災訓練では、消化器の使い方や三角巾(きん)を使った応急処置の仕方などを練習でき、有意義です
- 自治会の防災訓練が子どもの小学校で毎年行われていますが、参加して初めて、小学校のどこに非常用の毛布がしまってあるのかを知りました
- 緊急時の対応は、体を動かして訓練することが大切。町内会の訓練は、身近な機会だと思います
- 町内の班単位で避難経路を確認しておくだけでも、もしもの時に落ち着いて避難できるなど、行動に差が出ると思います
「地域が防災訓練を実施している」という保護者は約3割でした。そのうちの約6割が、「地域の防災訓練に参加したことがある」と答えています。
そして、地域の防災訓練に参加した保護者の声をまとめたのが、上記です。上に挙げた例のほかにも、「炊き出し」や「ロープのほどけにくい結び方」など、地域によって多彩な訓練が行われているようです。参加した保護者からは、「参加して良かった」「実際に参加して初めてわかることが多い」という声が圧倒的でした。
防災のために、ケータイと家族の連絡先を持たせる家庭が大半!
最後に、防災のために子どもに何を持たせているかを伺いました。
【図9 あなたのお子さまは「防災ずきん」を持っていますか? いちばん上のお子さまについてお聞かせください】
【図10 あなたのお子さまは、「防災ずきん」以外に防災の備えとして何か持っているもの、学校または家庭で持たせているものはありますか? あてはまるものをすべてお選びください。】
「防災ずきん」については、「持たせていない」という家庭が65%。子ども3人のうち2人は持っていないことになります。ただ、今回の調査は、学齢にかかわらず、お子さまをお持ちのかたを対象に行っています。子どもの学齢の低い家庭では、学校で準備が義務付けられているところも多く、「防災ずきん」を持っている家庭が多くなることもありそうです。
「防災ずきん」以外では、「ケータイ」と「家族の連絡先」を持たせる家庭が突出していました。安否の確認をできるようにしておきたいと考える保護者が多いのかもしれません。「ケータイ」を持たせている家庭では、家族で災害用の伝言板サービスの使い方を確認しておくと安心ですね。
一方、「ケータイ」を持たせていない家庭では、公衆電話の場所をチェックしたり、連絡が取れない場合の集合場所を決めておいたりするとよいのではないでしょうか。
(まとめ)
多くの家庭が、家庭内を中心に防災対策を立てていました。しかし、天災の起こる時期や被災の規模を予測することはできません。そのため、「今のままの対策で本当に大丈夫だろうか」と不安になる保護者もいるようです。とられている対策の種類は、食料品や防災グッズを備えたり、家具が倒れないようにしたりするといった、家庭内で手軽にできる対策が大半。保護者の中には、地域の防災訓練に参加し、応急手当の仕方など、家庭内では準備が難しい防災対策への理解を深めたり、対策法を身に付けたりするかたもいます。そういった機会をうまく利用しながら、不明点を解消していくことが、防災のうえでは大切なのではないでしょうか。