経済協力開発機構(OECD)が≪大人の国際学力調査≫を計画していることは、以前の記事でお伝えしました。この中で、調査対象分野として「ITを活用した問題解決能力」が入っていることが、目を引きます。ビジネスの分野でIT(Information Technology=情報技術)ないし情報機器によるコミュニケーションを加えたICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)が不可欠になっていることは、保護者の方々も日々実感されていらっしゃることでしょう。そうした社会に対応するために、学校でも近年、「情報教育」としてICT教育の充実が行われています。
情報教育については、1989(平成元)年に告示された学習指導要領で明確に導入され、小学校では各教科で「教育機器の適切な活用をはかる」とされ、中学校では理科や数学で「コンピュータについて学ぶ」とともに、技術・家庭科には「情報基礎」という選択領域が盛り込まれました。さらに現行の指導要領(98〜99<平成10〜11>年告示)でも、中学校では技術・家庭科の「情報とコンピュータ」領域が、高校では教科「情報」(A、B、Cのいずれか、各2単位)が、それぞれ必修化されるなど、すべての子どもに「情報活用能力」を身に付けさせることになっています。
新しい指導要領は昨年4月から一部前倒し(移行措置)が始まっていますが、その中での情報教育はどうなっているのでしょうか。たとえば、小学校では「各教科等の指導に当たっては、児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け、適切に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに、これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること」(総則)、とされるなど、引き続き情報教育を重視し、充実させることを目指しています。さらに道徳では、「情報モラル教育」を必ず扱うようになっています。
全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)のB問題(主として活用能力を問う問題)に代表されるように、さまざまな資料から必要な情報を自分で取り出し、そこから考えて解答を導き出す教育が最近、学校でも強化されていることは、ご存じかと思います。また、調べたことや、そこから考えたことを、他人にもわかりやすくプレゼンテーション(発表)することも、今は当たり前になっています。これは、まさに今の社会が、そういう能力を求めているからにほかなりません。単なる「IT」ではなく、「ICT」と≪C≫(コミュニケーション)が入っているところが、重要なのですね。
学校教育をめぐっては「学力向上」に注目が集まっていますが、教科で学んだ学力が社会で役立たなければ、何にもなりません。そのためにもICT教育が、学校の中でどのように扱われているかについても、注目していきたいものです。

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。
1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代〜模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。
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そもそも日本語教育、国語教育の不足から、日本語としてのメール文章というものの品質低下を感じます。結局、電話して聞かないと意味不明ではという内容です。英語の前にまず国語と感じた次第です。