政治や経済のグローバル化が進み、国際社会で仕事をすることは、もはや珍しくなくなりました。一方、長引く不況や社会の成熟化のなかで、人々の気持ちが内向きになっていることも、事実のようです。文部科学省がまとめた2008(平成20)年度「高等学校等における国際交流等の状況調査」の結果によると、海外修学旅行はほぼ横ばいながらも、海外留学をする高校生が年々減少していることがわかりました。海外に出ることだけが良いとは言い切れませんが、少し気になる傾向です。
2008(平成20)年度に外国に修学旅行に出かけた高校は、延べ1,357校(公立529校、私立828校)で、参加生徒は延べ17万9,573人に上ります。これを前回の調査(2006<平成18>年度)と比較すると、学校数では2.0%減、生徒数では1.0%増となり、総じて横ばいだと言ってよいでしょう。行き先を見ると、公立は韓国(114校)、シンガポール(82校)、マレーシア(80校)、米国(71校)など、私立はオーストラリア(169校)、米国(154校)、韓国(82校)、シンガポール(79校)などとなっています。実施校は、1992(平成4)年度の延べ349校から年々増加し、米同時多発テロ(2001<平成13>年9月)の影響で一時的に減少したものの、現在ではほぼ定着したようです。
民間団体などの調査によると、私立高校では、現地の学校との交流や語学研修を兼ねた、1週間程度の海外修学旅行をするところが多いようです。これに対して公立では、西日本地域で海外修学旅行を実施する高校が多い、という結果が出ています。韓国や東南アジアなどに行くほうが、国内よりも時間的に近いし安い、という地理的理由も影響しているようです。ただ、最近の経済情勢などから、全体的に頭打ち傾向に入りつつあると見られます。
一方、3か月以上の海外留学をした生徒がいる学校は、延べ1,627校(公立773校、私立854校)、留学者数は延べ3,190人(公立990人、私立2,200人)でした。留学先を見ると、米国(1,150人)、ニュージーランド(582人)、カナダ(460人)、オーストラリア(438人)、イギリス(146人)、ドイツ(82人)、フランス(39人)などとなっています。ただ、前回調査と比較すると、留学者数は18.5%減となり、大きく減少しています。1992(平成4)年度の留学者は延べ4,487人でしたが、公立高校では1996(平成8)年度を境に、減少を続けています。一方、私立高校では、2004(平成16)年度の延べ2,821人をピークに、大きく減少しています。
このほか、3か月未満の海外研修旅行をした高校生は、1992(平成4)年度の延べ3万1,688人から増加し、2000(平成12)年度に延べ3万9,310人とピークを迎えましたが、やはりその後は減少傾向に入り、2008(同20)年度は延べ2万7,025人でした。
世界同時不況が始まった2008(平成20)年9月以前、経済状況は比較的安定していましたから、高校生の海外留学や語学研修の減少は、保護者の経済状況の悪化だけでは説明できません。海外に目を向け羽ばたく、という雰囲気が、社会からなくなりつつあるのでしょうか。

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。
日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。
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高校生の海外留学が減少しているとのことですが、高等学校の生徒数の推移を比較すると
平成4年は約500万人、平成20年は約350万人ですので
全体のうちの留学生の割合を考えるとほぼ横ばいではないか思いました。
イギリスではビザの取得が難しくなり、とある団体では
今年度から日本からの高校留学生の受け入れがなくなったそうです。
国ごとの情勢の変化によって留学する機会が減少してしまうのは
個人にはどうしようもないことですが非常に残念に思います。
「海外に目を向けて羽ばたく」ことに対する認識とともに
海外に出たからこそ「日本に目を向けて舞い戻る」という考え方をもち
双方にとってよりよい考え方ができるようになれば理想的ではないでしょうか。
親離れをし、何でも自分で考えて行動し責任感を養うには良い機会だと親としては思うが本人がその気がまるでない。
高校生の海外留学が減少しているのは、長引く不況で親の経済事情もあり、また今時の子供がハングリー精神の少ない現状満足型であるのもひとつ大きな原因かと思います。我が家の長女は高2の1年間をニュージーランドで、そして今大学2年の10カ月をアメリカで過ごしていますが、やはり高校の留学が語学を身につけるといった意味で有効だったと言っています。ただ、長女は留学コースという1年留学しても3年間で卒業できる特殊なコースにおり、下の子が県立の進学校に入学し感じたのですが、早くから文理の選択やどこの大学を受験したいのかなど、また受験受験と追いまくられているような感じで、夏休みも部活や補習があることを考えると、普通の高校ではいつ留学する時間があるのかと考えてしまいます。この夏思い切って2週間の短期留学に行かせてみようかとも思いましたが、いまだ勉強のペースがつかめていないことを考えると思いきれませんでした。確かに費用はかかりますが、半年以上の留学は語学が身に着くだけでなく、世界が急に身近なり、海外への目が大きく開けます。精神的にもその成長は目を見張るものがあります。それら沢山の財産を考えると是非1人でも多くの高校生が海外へ行ける時間的、精神的なゆとりと、経済的なサポート制度をもっと取り入れていくべきだと思います。
013699高校の修学旅行(2011/10/31 10:15)
こんにちは。
ちょっとモヤモヤしていることがあります。
高校の修学旅行は、公立も私立も海外が多いのでしょうか。
うちのこどもは来年修学旅行なのですが、
すでに行き先は海外で日程…