学習指導要領の改訂に当たって、教科の内容の変更と同じくらい、大きな影響力を及ぼすものがあることを、ご存じでしょうか。「学習評価」の方法の変更です。これに関して、文部科学省の中央教育審議会が、提言をまとめました。
子どもの学習評価というと、通知表や、中学の調査書(内申書)を思い浮かべるかたが多いと思います。これらの基になる資料が、「指導要録」です。入学から卒業まで、一人ひとりの学習評価や、学校生活の状況を記録したもので、教科などの成績の評価も、指導要録に基づいて行われます。現在、小・中学校の通知表における成績評価は、集団の中での位置付けを示す「相対評価」から、規準に照らして目標が達成されたかどうかを示す「絶対評価」に変わっていますが、これも学習指導要領の改訂に伴って、文科省が指導要録の評価方法を変更したからです。
では今後、子どもたちの成績評価が、どう変わるというのでしょうか。結論から言えば、あまり変わらない、ということになりそうです。中教審は、指導要録の大枠について、現行の方法を踏襲することを提言しています。思考力や判断力に加えて、コミュニケーション能力を含む「表現力」も重視する、といった、学習指導要領の趣旨に合わせた見直しなどはありますが、保護者の立場からすれば、さほど大きな変更には見えないでしょう。
では、何も変化はないのかというと、そうでもなさそうです。中教審は、子どもや保護者に向けて出される通知表などについては、見直すよう提言しているのです。特に報告書では「保護者の理解の促進等」という項目を設けており、評価の規準や仕組みなどを、各学校が事前に保護者に説明するなど、積極的な情報提供を行うよう求めています。
中でも注目されるのが、通知表に、子どもや保護者の考えを学校に伝えるための記入欄を作成することを求めている点です。通知表を、子どもや保護者と学校が「情報を共有する手段」にするためです。その背景には、通知表は成績を子どもや保護者に伝えるためだけでなく、その後の学習を支援するためのものでもある、という考え方があります。さらに、通知表だけでなく、日々のさまざまな資料を活用して、より丁寧に、子どもたちの学習状況に関する情報提供を行う必要がある、ともしています。
また、現在の絶対評価では、教科などの評定(小学校は3段階評価、中学校は5段階評価)の割合は、相対評価と異なり、あらかじめ定められていません。現行の学習指導要領の開始当初は、一部の学校でクラス全員が「オール3」などと評定されて問題となったケースさえありました。これに対して中教審は、評価の妥当性・信頼性を確保するため、学年ごとに評定の「1」「2」「3」などが何割ずつあったのかを、保護者に公表することも考えられる、としています。これらの方策が具体化されることになれば、通知表の性格はこれまでとまったく変わったものになるでしょう。

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。
日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。
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中教審の報告書で評価の規準や仕組みなどを各学校が事前に保護者に説明するなど積極的な情報提供を求めている点ですが,これは既に2002年頃から学校の教育実践における説明責任論として言われてきたことです。これまで「通知表の見方」などとして全国の多くの学校で保護者との会合や学校発文書として提示していることです。
次に,通知表に児童や保護者の考えを学校に伝えるための記入欄を作成することを求めている点です。通知表を学校と保護者との新しいコミュニケーションの場として運用する点は大変良いことだと思います。しかしながら,通知表というのは,保管や情報開示の根拠となる法的な公定帳簿ではなく,各学校独自に管理者である学校長が設定している書類です。あくまでも家庭通信としての役割です。家庭通信に具体的な運用にまで口出しする行政のありかたは,現場を萎縮させ,創意工夫の芽を摘みかねません。こういうこともできる,と採否は各校の判断に任せるべきでしょう。さらに「情報を共有する手段」,生活や「学習を支援する」或いは「学習状況に関する情報提供」という内容では,その役割を目的に各学校が通知表を作成しているのであり,どの学校でも認識済みのことです。特に目新しいものではなく,現場ではごく当たり前のことですが…。
通知票の評価については学校から貰いましたが、
学期はじめでなく、通知票を貰う前に配布でした。
前もって評価対象がわかっているのと、学期が終わってからもらうのと・・・前もって貰える方が子供に意欲的に勉強して貰うにはよかったように思いました。
また、昨今の通知票は学期ごとにプリントされ、先生のコメントは手書きでなく活字の印刷。
味気ないような気になり、また保護者のコメントは毎回悩んで書いたけれど
自分の字がずっと残るので下の子になったら書くのをやめてしまいました。
でも、学校から何を言われるわけでもなく、書かなくてもいいんだ。
と思うようになりました。