文部科学省は、「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き」(緊急マニュアル)を作成しました。これに対しては、子どもの自殺を予防するのが学校の役目であり、自殺が発生することを前提にしたようなマニュアルの作成など本末転倒だ、と批判する向きもあるかと思います。しかし、不幸にして起こった場合、自殺という行為は、残された家族や周囲の人間にも、大きな傷を残すものです。このため緊急マニュアルは、学校が遺族の気持ちに寄り添うことや、子どもたちの心のケアをすることなどを強調しています。
緊急マニュアルは、「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」が、「審議のまとめ」の添付資料という形で作成しました。同協力者会議の調査によると、学校の危機管理マニュアルを作成している都道府県教育委員会は71%、市町村教育委員会は33%となっていますが、そのうち子どもの自殺を取り上げているのは、都道府県教委で22%、市町村教委で11%に過ぎませんでした。このため、子どもの自殺に焦点を絞ったマニュアルを作成することにしたものです。
緊急マニュアルは、「危機対応の態勢」「遺族へのかかわり」「情報収集・発信」「心のケア」など6章で構成されており、自殺が起こったあとの対応チームの編成、保護者や子どもたちへの説明の仕方、マスコミなどへの対応など、細かく解説しています。
最も注目されるのは、学校が「遺族の気持ちに寄り添う」ということを基本にしていることです。たとえば「情報収集・発信」の中では、「学校に都合が悪いというだけで正確な情報を出すことをためらっていると信用を失ってしまいます」「情報がないからといって、早い段階で子ども同士のトラブルや教師の不適切な対応はなかったと決めつけないでください」などと、注意を促しています。
この背景には、いじめや教師の叱責などが原因で自殺した可能性があるのではないかと思う遺族と、学校の間に、深刻なトラブルが少なくないことがあります。また、同協力者会議のヒアリングで、自殺により子どもを亡くした遺族の団体などが、プライバシーなどを理由に学校側が十分な説明をしてくれないことがあると批判し、「何があったのかを知ることが遺族のケアの第一歩である」と求めたことも、影響しているようです。緊急マニュアルは、自殺の背景について「校長が『たとえ学校にとって不都合なことであっても、事実は事実として向き合っていこう』という姿勢を示すことが重要です」と指摘しています。
同協力者会議ではこのほか、子どもの自殺が起こった場合の「背景調査」の在り方についても検討しています。調査の意義を、「『事実を知りたい』という遺族の希望に応えることと学校としての再発防止にある」と説明しています。具体的方策としては、各学校が文科省に報告するための統一フォーマットを作成する方針ですが、遺族との関係やプライバシーなどの課題もあることから、今後、引き続き検討することにしています。

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。
日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。
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調査は学校や教育委員会などの圧力のかからない第三者機関に委ねた方がいいのでは?
殺された子どもは死んでいます。もう、生き返らない。
保身に走るのは当然のこと。教師にだって家族はいます。
『大切なかけがえのないお子さん』だって所詮は他人の子ども。
涙して葬儀に参列したって、黒を脱げば日常生活に戻ります。
私自身中学生の頃、聞き取り調査のアンケートを受けた事があります。
子どもだって、馬鹿じゃありません。余計な事を話せば内申書に影響する。
無記名のアンケートだって、記述式なら字で個人が特定されてしまう。
自分の将来を人質にとられれば真実は語りません。