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Benesse進学フェア2015 私立中高一貫校 合同相談会&講演会

2015(平成27)年5月、東京国際フォーラムで開催された『Benesse進学フェア2015』講演会をダイジェストでお送りします。
講師は、時事問題のスペシャリスト早川明夫氏、元テニスプレーヤーで、スポーツキャスターの杉山愛氏とその母でスポーツ教育研究者の杉山芙沙子氏、森上教育研究所所長の森上展安氏、花まるグループ スクールFC代表 の松島伸浩氏です。

【2016年度中学入試 押さえておきたい時事問題】

講師・早川明夫氏

社会科入試問題研究のスペシャリスト・早川明夫氏が、2016年度の中学受験における時事問題の傾向と対策を解説します。

1 中学受験における時事問題

入学試験における時事問題は、主に受験する前の年に起こった国内外の重大な出来事です。今、6年生ならば、今年起こった出来事の中から出題されることが多いです。

2 周年問題(1) 節目の年の歴史的な出来事

受験する年(2016年)あるいは前年(2015年)からさかのぼって節目のよい年の出来事はしばしば問われます。今年は「戦後70年」で出題の可能性が極めて高いといえます。

3 周年問題(2)  出題が予想される1945年の出来事

1945年7月26日の「ポツダム宣言」発表後、9月2日に日本は全面降伏しました。1945年の出来事を並び替える問題の出題が予想されますので、流れを頭に入れてしておきましょう。

4 2015年入試の出題傾向

2015年度入試に出題された事項のうち、一番多く取り上げられたのは、世界遺産に選ばれた「富岡製糸場」でした。工場を建てる際の立地条件などもあわせて勉強しておきましょう。

5 幅広い角度から問われる出題

社会科の場合、用語をきちんと理解しているかどうかを問われることがあります。一つひとつの言葉の意味をしっかり理解することが大切です。それによって記憶が定着します。

6 時事問題における理科

理科でも富岡製糸場が取り上げられました。生糸の原料である繭を作る蚕の生態について聞く問題などです。いろいろな角度から富岡製糸場を考える必要があったといえます。

7 教科の枠を越えた横断的な学習

「社会」「理科」の枠にとらわれない、横断的な学習が求められるようになっています。たとえば、ロケットの打ち上げ基地が、より赤道に近い沖縄ではなく、種子島にある理由は、横断的な学習から明らかになる事項です。

8 世界で起きているさまざまな時事問題

世界で起きていることにも目を向けましょう。また、世界のこと、日本のことに限らず、地名が出てきたら必ず地図帳で確認します。満点ではなくてもよいので、合格点を目指し、基礎・基本の習得に時間をかけましょう。

プロフィール

早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学附属中学・高等学校の教頭を経て、現在、文教大学で社会科の教員養成にあたっている。『考える社会科地図』『総合資料日本史』など、テキストや参考書の監修・執筆多数。小中学生向けニュース誌『ジュニアエラ』の総監修者。

第2回 中学で英語が得意になる!

講師・杉山愛氏、杉山芙沙子氏

元テニスプレーヤーで、現在はスポーツキャスターとして活躍中の杉山愛氏。そして、愛氏のお母さまで、スポーツ教育研究者として選手の指導を行っている杉山芙沙子氏が、お子さまのやる気を引き出すヒントについて教えてくれます。(司会:円城寺佳子)

1 テニスと勉強を両立させるために

4歳でテニスを始めた愛氏。本格的にテニスの道を志したのは小学2年生のころだった。しかし、学校の宿題も多く、集中して宿題の時間を割いたりして、大変だったとお話しくださいました。

2 保護者としてのサポート

子育て中、「子どもは社会からの預かりもの」だと感じたという芙沙子氏。子どもが独立するまで育て、社会に貢献する人をつくるのが役目だと思ってサポートしてきたそうです。

3 プロになるために続けていたこと

毎日その日のベストを尽くす、気分が乗らない日も、うまくいかない日もがんばる力を付けることが大切。気分が乗らなくても受け入れ「ワクワク・スイッチ」を自分で入れて楽しめるよう工夫するのもひとつの手です。

4 がんばる力に結び付くルーティン・ワーク

25歳の時、愛氏にスランプが訪れました。その際に積み重ねたのが、日常生活、試合の時、それぞれの「ルーティン・ワーク」。これらは心と体の準備をして、よいパフォーマンスや練習に結び付けるために必要なことです。

5 大きな実を結ぶ小さながんばり

芙沙子氏によれば、たとえば小学生の子どもが帰宅した時、靴をそろえたり、かばんをしまったりする——こうした小さな積み重ねが大切で、入試の日に必ずしも調子がよくなくても、どこか助けられる部分があるという医学的な証明があるそうです。

6 結果よりもがんばりのプロセスに注目

保護者として大切なのは結果ではなく、もし失敗したとしても、何が悪かったのかという原因を考えるきっかけだととらえたほうがよいでしょう。時間も空気も親子で共有することが大切だと芙沙子氏は考えています。

プロフィール

杉山愛、杉山芙沙子

杉山愛氏 4歳でテニスを始め、15歳で日本人初の世界ジュニアランキング1位に輝く。17歳でプロに転向しシングルス492勝(優勝6回)、ダブルス566勝(優勝38回)、オリンピック4回出場、ダブルスでは世界ランキング1位に輝く。現在は、スポーツキャスターとしてTVでも活躍中。
杉山芙沙子氏 スポーツ教育研究者。パーム・インターナショナル・テニス・アカデミー校長。2001年より杉山愛氏をサポートする「チーム愛」のディレクター兼コーチを務めた。現在は、プロ選手、ジュニア選手の指導を行うかたわら、テニスという枠を超えて「スポーツ教育」といった視点での講演や執筆活動で活躍中。

【2016年度 中学入試・後悔しない受験校選び】

講師・森上展安氏

私学教育研究の第一人者である森上展安氏が、受験校選びの秘けつについてお話しします。

1 学校選びで後悔しないために

入学して「この中学は合わない」と考えるなら、なるべく早く学校を変えたほうがよいでしょう。クラブや技能教科で活躍ができると、お子さまは根城ができますので、それは合っている学校だといえます。

2 リーダーシップを養成できる中学校時代

中学時代、機会があれば、小さい集団でリーダーシップをとる経験をしておくとよいでしょう。入学後も努力を怠らず、成績上位になれるように、勉強は続けなくてはなりません。

3 中1からの新しい大学入試制度

これからは、高等教育において数学は必須になります。ですので、数学的素養を身に付けることが必須です。今後の大学入試は数学をある程度組み込んだものになるでしょう。

4 今後求められるグローバルな人材

グローバル化が進み、今後は大学入試に「TOEFL(R)テスト」などが導入され、自分の言葉でプレゼンテーションする力が必要になります。また、プロの教育者から指導を受けていることが大事だといえます。

5 もうひとつの進学ルートIB

IB(国際バカロレア)の導入も進んでいます。そのため、今後は高2、高3になれば、英語で教科の勉強をし、それを生かして進学するルートもさかんになると予測されます。

6 中学・高校の業績を問う多面的評価

少子化などで競争率が低くなり、入学が容易になる一方、海外の学生と競争する世の中に変わります。そのため、数学や英語の素養をしっかり身に付けさせてくれる学校を選ばねばなりません。

7 時代の変化に対応したネットワークづくり

ICT(情報通信技術)でつながってはいるが、本当に信頼できる話をするには、学校の人脈やネットワークが大切です。ですから、声をかけてくれる仲間を得る場として学校を選ぶことも大切だといえます。

プロフィール

森上展安

早稲田大学法学部卒業。1988年に民間の教育研究所「森上教育研究所」を設立。私立中学の動向に詳しく、民間教育の立場から幾多の提言を行う私学教育研究の第一人者。「わが子が伸びる親の『技(スキル)』研究会」で、受験生の保護者のための講演会を実施している。

【幸せな中学受験をつかむ家庭の力】

講師・松島伸浩氏

受験・教育相談の実績で、保護者のかたから絶大な支持を集める塾講師・松島伸浩氏が、中学受験における親子の関わり方についてお話しします。

1 事例から考える「幸せな中学受験」タイプA

まず、「甘えん坊・ぐずぐず男子×物量作戦大好きママ」の事例を考えてみましょう。ただたくさんやらせても効果は上がりません。第三者のアドバイスを聞き、上手にコントロールすることが大切です。

2 事例から考える「幸せな中学受験」タイプB

次は「まじめ・優等生タイプ男子×お膳立て先回りママ」の事例です。第一志望に合格しましたが、中高では勉強から逃避してしまいました。自分で達成感を持ち、乗り越えていくのも中学受験の財産なのです。

3 受験を成功に導く家族どうしの協力

両親が協力して、家族間のストレスを解消させることが必要です。普段から、母親が大きく構えているケースでは受験に成功することが多いようです。

4 話をしっかり聞くことの大切さ

話を聞いている量の差が、学力の差につながります。ですから、低学年時代は「聞く習慣」を身に付けねばなりません。家庭での会話は家庭教育の第一だといえ、一つひとつの言葉をしっかりとらえて、話すことができるようになります。

5 やらされている勉強は身に付かない

小学3~4年生までは、楽しく学ぶことが大事です。5年生は鍛える時期ですが、勉強が面白いと感じた経験が多いと、鍛錬の時期も乗り越えられます。また、得意教科などの強みがあれば、かなり有利になるといえます。

6 他人との比較ではなく自分との戦い

子どもはしばしば他人との意味のない比較をしがちです。また、もし点数が悪くても、よいところをひとつでも見つけ、フィードバックすることで、子どもが何かに気付くこともあります。保護者のかたは中身を見てあげることが大切なのです。

7 家庭内の手伝いで自立心を育む

中学受験だからといって免除せず、お手伝いをさせましょう。役割を与えて手伝いをやらせることは、本人の成長につながります。他者性や社会性を磨くには、とてもよいことです。

8 「幸せな中学受験」をつかむために

答えが出たら、「なぜそうなったのか」などを考え、過程を楽しむことが本当の学びの面白さです。これを知ったら、子どもは面白がって勉強し始めます。これは大人になってからも大切なことです。

プロフィール

松島伸浩

過去25年でのべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者のかたから絶大な支持を得ている。子育て講演会、教育講演会は満員のため抽選になるほどの人気である。現在も花まる学習会やスクールFCの現場で活躍中である。