馬場 直子 先生

総合監修:馬場 直子 先生

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日焼け止め

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先生への相談

9ヵ月になる女の子です。毎日散歩に連れて行っていますが、気づくと手足がかなり黒くなっており、もともと色白なので気になります。日焼け止めは1歳前でも使用可能でしょうか。
また、どのような種類のものがよいでしょうか。手の甲などなめてしまう可能性のある部位は塗らない方がよいのでしょうか。

先生からのアドバイス

イラスト - 馬場先生からのアドバイス

皮膚は太陽に30分くらい当たると、数時間後に赤くなり炎症を起こしてヒリヒリするサンバーン(日焼け)を起こします。4〜5日たつと赤みはひき始め、今度は皮膚に色素沈着するサンタンを生じます。
これはメラニン色素を増やすことによって、新たな紫外線が皮膚の中に入るのを防ぐための防御反応です。曇りだからと油断していても長い時間外にいると知らない間に真っ赤に日焼けしていたということもあります。
長時間過度の日焼けを繰り返すことは皮膚にとって有害で、何十年もの間蓄積すると皮膚がんの原因にさえなるので、子どものうちからなるべく不必要な日焼けは避けた方が無難でしょう。

外出の際には、ベビーカーのホロを下げ、帽子をかぶせるのはもちろんですが、斜めに差し込んでくる紫外線によって、赤ちゃんの手の甲や足が結構焼けてしまったり、アスファルトや砂浜の反射光で下から焼けることもあります。
肌のトラブルのないお子さんなら、ベビー用の日焼け止めクリームをお出かけ前に顔と手足に塗っておくとよいでしょう。合わないとかぶれる恐れもあるので、初めて使うときは前もって腕などの小範囲に塗ってみて、1日様子を見て異常がなければ全体に使うようにした方がよいでしょう。
手に塗った日焼け止めがなめて口に入ることは気にしなくていいのですが、なめると必ず取れてしまうので効果がなくなります。

子ども用の日焼け止めは、SPF値(日焼け止め指数)があまり高くないもの(10〜20程度)で、PA(UVA遮断効果)+以上のものを選ぶようにしましょう。
また、紫外線吸収剤が入っていない、反射剤のみのものがよいでしょう。
しかし、日焼け止めクリームさえ塗っていれば安心ということはありません。小さい子ほどまだ皮膚が薄く紫外線の防御機能が弱いので、晴れた日は紫外線の最も強い時間帯、午前10時ごろ〜午後2時ごろの外出は避けるように努めた方がいいでしょう。

馬場 直子 先生

プロフィール


馬場直子

神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。滋賀医科大学医学部卒業。横浜市立大学医学部皮膚科、横須賀共済病院皮膚科勤務などを経て1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長。2002年から現職。横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。