高校入試における「内申点」の重み 高校入試を巡る最近の動き[高校受験]

高校入試における「内申点」について2015年度入試の変更はご存じのことと思いますが、いくつかの都府県で動きがありますので、念のためここで整理しておきましょう。2016年度以降についてもいくつか触れています。

●埼玉県
2014年度まで2回あった志願先変更の機会を2015年度は1回に減らします。最初の出願をより慎重にし、変更するつもりがないくらいの気持ちでいましょう。

●千葉県
2014年度に廃止した君津、市立稲毛に続き、2015年度は千葉東も「学校独自問題」を廃止します。現行制度以前には上位校のほとんどで導入されていましたが、前期・後期選抜に変更された1年目は4校に減少。5年目で、「学校独自問題」はついに姿を消すことになります。

●東京都
採点ミスを受けて、記号選択式問題の解答形式についてマークシート方式を導入することになりました。2015年度は実験的に下記の20校で実施します。

三田、本所、東、深川、小山台、駒場、雪谷、桜町、芦花、豊多摩、文京、北園、石神井、小松川、府中、昭和、調布南、狛江、東大和、久留米西

なお、記述問題の多い進学指導重点校、進学重視型単位制など「自校作成問題」グループ校では実施しません。

2016年度からは、複雑化した選抜方法を共通化し、わかりやすく簡素化するために、学力検査の教科数と、学力検査と調査書の比率などが、課程や選抜回次ごとに統一化されます。
 ・学力検査の教科数 第一次募集は全校が5教科、第二次募集は全校が3教科
 ・学力検査と調査書との比率 第一次募集は全校が7:3、第二次募集は全校が6:4
 ・調査書の評定を出すうえで実技教科を1.3倍していたものを2倍にする

●新潟県
3点の変更があり、大きく変わります。「一般推薦入試の廃止」「学力検査時間の全教科50分化」「学校独自検査の実施」です。
2月に「特色化選抜」、3月上旬に「一般選抜」となります。「特色化選抜」はすべての高校で実施されるわけではないので、学力検査のない「推薦入試」がなくなり、多くの中3生が学力検査のある「一般選抜」を受験することになります。

多くの高校では「一般選抜」が2日連続で実施されます。1日目は学力検査(5教科・各50分)が実施されます。英語はもともと50分でしたが、それ以外の国語、数学、社会、理科の各教科は5分増えることになります。2日目には学校独自検査が実施されます。学校独自検査は、面接、実技試験、筆答検査など高校により実施内容が異なります。また配点も各高校、学科ごとに最大500点満点で設定できるため、調査書と学力検査を足し合わせた1000点と比べても、独自検査がそれなりの比重を占めることになります。

●大阪府
2016年度からの変更点は以下のとおりです。
 ・前期を「特別選抜」、後期を「一般選抜」と改称。実技試験のある音楽科や体育科など専門学科のごく一部以外は、3月の一般選抜で試験をすることにします。
 ・相対評価で行っていた内申点(正式には調査書)の成績を絶対評価にします。

●兵庫県
通学区域が変わります。

・第1学区 神戸市、芦屋市、洲本市、南あわじ市、淡路市
・第2学区 尼崎市、西宮市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町、篠山市、丹波市
・第3学区 明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町、西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市、多可町
・第4学区 姫路市、市川町、福崎町、神河町、相生市、赤穂市、宍粟市、たつの市、太子町、上郡町、佐用町
・第5学区 豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町


今回言及しなかった道府県でも、変更がある可能性があります。ですから、お住まいの道府県の教育委員会のホームページを、一度のぞいておくことをおすすめします。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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