過去問の取り組み方&三者面談に向けて(2)三者面談で何を話すか [高校受験合格応援コラム 第7回]

前回は、過去問の取り組み方と入試説明会についてお話ししました。
今回は、三者面談に向けて準備しておくことについて取り上げます。



どうする? 志望校最終決定

三者面談は、たいてい11月末~12月前半に行われますので、この時までに、第一志望校、併願校について親子で意見をまとめておく必要があります。この時期には、よく保護者のかたから「模擬試験の結果がよくなかったのですが、志望校を変更すべきでしょうか」といった相談を受けます。

結論から言いますと、この時期までに本気で勉強している中学生は多くありません。特に男子は、なかなか本気を出さない子が多いようです(笑)。そのため、ケースにもよりますが「これから努力すれば変わりますよ、チャレンジしてみてはいかがですか」という言い方をよくしますね。三者面談から受験本番までは2~3か月あります。その間、本気で努力すれば成績は大きく伸びるのです。

ですから、今いちばん大事なのは、「あの高校に行きたい!」という本人の意志です。本人に意欲さえあれば、第一志望校を変える必要はありません。現時点の力で合格できそうなところに決めてしまうと、かえって気が抜け、努力不足で不本意な結果に終わることもあります。ただし、第一志望校の難易度が高い場合には、併願校を慎重に検討すべきです。



中学の先生に「学校を提案してもらう」という考えは捨てて

保護者のかたが受験生だった頃は、「この成績なら、公立はA校、併願校として私立B校かC校を受けてはいかがですか」というように、先生が受験校を提案してくれることが多かったと思います。しかし現在は、調査書やテストの成績によって生徒を「輪切り」にするような進路指導は望ましくないとされていますので、先生のほうから受験校を提案してくれることは、まずありません。
また、昔は学区が狭かったので、先生が学区内の高校はほぼ把握できる状況でしたが、今は学区が撤廃されたり、広がったりしていますし、学校やコースの選択肢も比べものにならないくらい多様化しているので、先生がそのすべてを把握することはほとんど不可能になっています。

ですから、受験校については本人と保護者のかたがきちんと情報を集めて、三者面談では「ここを第一志望、ここを併願したいと考えています」というふうに提案しなければなりません。保護者のかたは志望校についてある程度情報通になる必要があるのです。



志望校を受験、進学した先輩の情報も大切に

志望校最終決定に際して、その学校を受験、進学した先輩に生の声を聞くのもよい方法です。たとえば同じ「外国語科」でも、A校は国際理解に強く、B校は外国語での会話を身に付けることに力を入れている、あるいは同じ「食物科」でもC校出身者は和食系、D校出身者は洋食系への就職が多いといったことは、学校案内やホームページからはなかなかわかりません。

ただし、情報を集めようとするあまり、「X高校はY塾に行かないと合格は難しい」「Z校はいじめが多いらしい」といった、出所の不確かなうわさに振り回されないようにするのも大切なことです。保護者のかたが「じゃあ別の高校を探さなきゃ」というふうに右往左往し始めると、お子さまも不安になって勉強に集中できなくなってしまいます。



受験スケジュールを提案して説得を

三者面談には、参考資料として模擬試験の結果を持って行くとよいでしょう。第一志望校の難易度が高めの場合、併願校は慎重に選び、無理のない受験スケジュールを立てて面談に臨むと、先生も安心します。

三者面談が終わり、第一志望校・併願校の具体的なスケジュールが決まると、いよいよ本格的な受験生活のスタート。ここから2~3か月、受験当日までが本当の勝負です。ぜひ、「いよいよ受験生だね。これで目標がはっきりしたから、がんばろうね」と声をかけてあげてください。また、志望校のよいところをたくさん見つけて、さりげなく高校生活への夢をかきたててあげることも大切です。お子さまが好スタートをきれるよう、背中を押してあげてください。

次回は、「お子さまの将来」から考える進路選択について取り上げます。

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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