気にし過ぎはNG!偏差値はあくまでも「現時点の目安」

高校生の保護者にとって、「偏差値」は気になるキーワードの一つです。我が子の偏差値は今どのくらいで、あの大学に合格するにはどのくらいの偏差値が必要なのか、子どもの偏差値はどれくらい上がるのか…これまでにも、そんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。でも、偏差値とは何なのか、どのように役立てれば良いのか、なかなかうまく説明できないものです。今回は偏差値について一緒に考えましょう。


偏差値は、そのテストにおける学力位置を示す数値

 そもそも、学力テストにおける偏差値は、あるテストを受験した集団の中で、平均点をとった人を「50」として、自分の位置を示してくれる数値のこと。模試などで偏差値を算出するのは、受験者がその模試を受けた集団の中での客観的な自分の学力位置を把握できるようにするためです。これまで、お子さまが中学生時代に受験した学力テストで、偏差値が出された経験をおもちのかたもいらっしゃるかもしれませんが、高校入試は基本的に都道府県単位で行われるため、偏差値を算出する模試の集団の数も数千人規模になります。

 

ところが、大学入試の場合は、全国規模の競争になるため、偏差値を算出する集団の数は高校入試と比べるとぐんと増えます。大学入試に向けた模試の場合、実際の大学入試受験者の集団に近い人数、学力レベルであるほど、その模試の偏差値は信頼性が高くなります。また、受験者の人数・学力レベルが安定した模試を継続的に受験することで、学力のアップ・ダウンや教科ごとの得意・苦手を把握することができます。逆に言えば、受験した集団の人数・レベルが違うテストの偏差値を比較することは意味がないということになります。

 

 

「絶対的」ではないはずなのに、偏差値があまり変わらないのはなぜ?

 偏差値は、受験した模試においての客観的な評価ではありますが、今後のお子さまの成績の伸長を予測するようなものではありません。あくまで「その模試での」成績であり、今後の学習次第で偏差値は大きくアップしていく可能性があります。その意味では、偏差値はあくまでも「現時点での成績の目安」と考えるべきでしょう。実際、高校3年間で成績を伸ばし、偏差値が大きくアップする生徒は決してまれではないのです。

 

とはいえ、何度か模試を受験するうち、お子さま自身に「自分はだいたいいつもこのくらい」という成績(偏差値)が見えてくることも少なくありません。ただ、これは偏差値が固定的なもの、絶対的なものだというわけではなく、模試を活用した勉強法を確立できていないからという理由がほとんどです。

 

 

これまでの偏差値ではなく、これからの偏差値に目を向ける

 模試などの学力テストでは、「偏差値の高い・低いで一喜一憂しない」ことが大切だと言われています。もちろん、努力に見合った好成績が収められたときは喜ぶべきですが、「偏差値の高い・低いで一喜一憂して終わりにしない」ことが重要です。

 

例えば、ある模試で偏差値が50だったとき、「○ヵ月後の入試本番までに偏差値をどのくらいまで上げたいか」「そのためには、まず次の模試で偏差値をいくつに上げたいか」という大きな目標と、それを実現するための小さな目標を設定する、といった具合です。仮に「3ヵ月後の模試では偏差値55をめざそう」と目標を設定したら、どの教科の得点を何点アップさせるとそれが実現できるかを考えます。こうすることで、「偏差値を見て終わり」ではなく「偏差値からスタートする」ことが可能になります。なお、模試の結果の中で、偏差値以上に気を配りたいのが各教科の成績や分野別成績です。これを見て、教科ごとに次の模試の目標成績を決めると、より詳しい学習計画を立てることができます。

 

模試の結果(偏差値)に一喜一憂せずに、次の模試に向けて計画的に学習する。言葉にすれば簡単なように思えますが、実際にこれを実現できている高校生は意外と多くはありません。ぜひ保護者のかたからも、「次の模試ではどれくらいの成績を目標にしているの?」「そのためにどんな勉強の計画を立てているの?」など、過去や現在以上に、これからに目を向けるような言葉かけをしてあげてください。偏差値を、「いま(これまで)の学力」を把握して一喜一憂するものではなく、「これから目標とする学力」を明確にして、学習計画を立てるための材料として活用できるといいですね。

 

 

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