算数の文章題が苦手なので、たくさん解くことで、解法のパターンを見つけるようにしています[中学受験合格言コラム]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。

※小泉さんへのご質問は、不定期にBenesse教育情報サイトメンバー向けのメールマガジン「教育情報サイト通信」で募集をいたします(随時の受付は行っておりません)。


【質問】

算数の文章題が苦手で、何を問われているのかを理解できていない時があります。図や線分図をかかせても、そのかき方が間違っていたり、線分図から式を導き出せなかったりします。また、問題文に少しでもひねりがあると引っかかってしまい、見ていて残念です。問題集を解かせ、とにかく数をこなして解法のパターンを見つけさせるようにしています。計算ミスをする時もあるので、気を付けるように声をかけていますが、こうした方法でよいのか不安です。

相談者:小6女子(大ざっぱ・強気なタイプ)のお母さま



【小泉先生のアドバイス】


解法のパターンを見つけ、身に付け、理解する


●パターンを見つけて覚えることは大切なプロセス
苦手な算数の文章題を、問題数をこなしてパターンを見つけ、覚えることで克服しようとしているようですね。最初のうちは少しつらいかもしれませんが、徐々に解き方がわかって解けるようになると思います。

ところで“パターン”というと、あまりよくないイメージがあるかもしれません。「応用力が付かない」「ちょっとひねられると、とたんにできなくなる」などなど、ちょっと正統でない学習方法のように思うかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、パターンを見つけ(すなわち型を見つけ)覚えるということはとても大切なプロセスなのです。

●まずはそのとおりのやってみること
型を学ぶ時に大切なことは、まずはそのとおりにやってみることです。何題も問題を解いて自分でパターンを見つけた時は、喜び勇んでそのパターンを使うでしょう。しかし、先生に教えてもらった場合などはその通りにやらない人がいます。言われたとおりにまずはやってみて、どんな結果が出るか試してみることが大切です。自己流に直してやるのでは、型を学ぶ意味がありません。言われたとおりやれる素直な人が、伸びる可能性が高いと思います。

しかし、実際にはそのとおりにやれない学習者が多いのです。そして、主な原因の一つとして「人の話をきちんと聞いていない」ことが挙げられます。聞いていなければ、言われたとおりにやってみることは不可能です。勉強のできる子になるためには、何といっても「人の話を素直に聞ける人」になることでしょう。もちろん、教えられたことに反論するのはかまいません。指導内容が納得いかなければ、反発してもよいでしょう。でも、その前に、内容を理解して自分のものにしてから反論すべきなのです。

●「なぜ」を考える
さて、言われたとおり(あるいは見つけたパターンのとおり)にやっていればそれでよいかというと、やはりそれだけでは進歩はありません。型を学んだあとは、必ず「なぜそうなるのか」「なぜそんなことをするのか?」など「なぜ」を考えることです。型はものごとの道理に適っているため、うまく物事を運ぶことができます。うまくできる理由がちゃんとそこにあるのです。そして、その理由を考えることでさらにうまくなるし、応用が利くようになるのです。

理由を考えるということは、原理・原則を考えることにつながります。なぜそのようなことをしなければならないかを考えれば、やるべき手順が覚えやすいし忘れにくいという利点もあります。何もわからず、考えずに覚えた手順はすぐに忘れてしまうことでしょう。さらに、原理がわかればその応用も考えられるようになります。他から「応用力がある」と言われる人は、原理・原則がわかっている人なのです。

●「型」を破る!
原理・原則が理解できたら、最後は自分なりの考え方や解き方の工夫ができないかを考える段階になります。いわゆる「型やぶり」ですが、勉強の場合も自分流のやり方を工夫してみましょう。そうした工夫ができるようになると、さらに学力は伸びていきます。もちろん、「型やぶり」は習った最初の型をしっかり身に付けてからにすべきです。そうでないと、成績は伸びませんし、伸びたとしても必要以上に苦労することになると思います。

ところで、問題集で演習する時には一つ注意したいポイントがあります。それは、掲載されている問題が、その単元を学ぶために必要十分な問題数であり、かつ適切に配列されている問題集を使うことです。また、問題数も適切な量であってもらいたいものです。定評のある問題集・参考書を選ばなくてはならない理由がここにあります。もちろん、問題をパターンで解くだけで、考えなければ効果がそれほど出ないことは先刻述べたとおりですが……。


プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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