模試や過去問を生かした、受験校最終決定のポイント[中学受験 6年生]

模擬試験のほとんどは、12月が最終回となります。11月模試の結果が思わしくなく、「第一志望校を変えるべきだろうか」と迷っていらっしゃるかたも多いと思います。
そこで今回は、模試の判定や過去問を生かした、受験校最終決定のポイントについてお話しします。

模試の結果は、志望校の出題傾向とすり合わせて検討を

模試の問題は、必ずしも第一志望校の出題傾向に合っているとは限りません。模試の判定結果は、ぜひ保護者のかたや、塾や個別指導の先生が見て、志望校の出題傾向とすり合わせ、残された時間で何をすべきか検討するとよいでしょう。例えば算数の図形の問題を落として、点数が伸びていない場合も、志望校で図形の問題が出る確率が低ければ、さほど問題にはなりません。

過去問を解いて優先順位を明確に

過去問は全科目解いて、科目ごとに、合格者平均点に達しているかチェックしましょう。全科目で合格者平均点に達していれば問題ありませんが、模試で合格可能性50%前後の場合、何かの科目で合格者平均点をとれていないケースがほとんどだと思います。どの科目のどんな問題で点数をとれていないかを分析し、それを1月中に克服できるか、または他の科目でカバーできるかどうかのめどをつけてください。
そのめどが立たない場合、第一志望校はかなりのチャレンジになるということになります。第一志望校は基本的に変えなくてかまいませんが、第二志望校を本命として、きっちりと受験対策をする覚悟をしていただきたいと思います。

進学校/大学附属校、共学/別学……第二志望校こそ広い視野で検討を

第二志望校を選ぶにあたり、共学を考えていたが男子校・女子校も、進学校にと思っていたけれど大学附属校も、というふうに、これまでご自身がもたれていたこだわりからあえて少し離れ、違うタイプの学校も検討してみましょう。意外に、お子さまにしっくりくる学校が見つかるかもしれません。
比較的入学しやすくても、大学進学実績が優れている場合もありますし、サイエンス教育に力を入れている、外国語教育が盛んで海外の大学と密接な交流があるなど、カリキュラムや指導法に特色のある学校もあります。

11月~12月中に、数多くの学校が学校説明会や見学会を開いています。第二志望校を決める際は、できれば一度はお子さまと一緒に見学に行ってください。「お子さまが自分らしさをのびのびと発揮できそうなところ」「お子さまの得意分野を伸ばしてくれそうなところ」という観点で選ぶのがいちばんです。「自分は〇〇が好きだからここを選んだ」とお子さまが胸を張って言えるような学校を見つけることが大切です。

子どもと気持ちを共有しつつ、あえて楽天的に構えて

この時期、「模試の判定がよくなかったのに、まだ子どもが本気にならない」「結果がついてこずイライラする」といった保護者のかたの声をよく聞きます。難しいことではありますが、合格可能性判定の数字はあくまで目安、模試は課題発見のツールであると割りきってください。大人の切羽詰まった気持ちは、子どもを不安にさせてしまいます。あえて楽天的に構え、志望校の出題傾向と合っている問題ができていたら、「すごいね!」とほめてあげましょう。
本気になっていないように見えても、この時期の子どもたちには相当のプレッシャーがかかっています。食事やお風呂など、一緒にいる時間を大切にして、お子さまの気持ちを共有してあげてください。また、保護者のかたご自身も、入試が近づくほど「チャンスは今しかない」という心理状態に陥りがちですので、意識して肩の力を抜くよう心がけてください。過去にお子さまに中学受験を経験させたママ友・パパ友など、気軽に話を聞いてもらえる存在が身近にいるといいですね。

(筆者:森上 展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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