中学入試本番! 直前・直後に確認したいことは?[中学受験 6年生]

東京・神奈川の私立中を志望校とするかたにとっては、いよいよ2月1日の中学入試本番が迫ってきました。今回は、中学入試を受ける直前、直後に確認しておきたいポイントについてお話しします。

「普段どおり」をめざし、不安要素を1つずつなくしていく

入試で大切なのは、いかに「普段どおり」の力を出すかということです。緊張感は少しあったほうがかえって集中力は上がりますが、過度の緊張や焦りを防ぐため、不安の種はなるべくつぶしておきましょう。交通機関にトラブルが生じたときのために、別ルートのシミュレーションをしておく、鉛筆や消しゴムは多めに用意する、試験会場が暑いときや寒いときのため、脱ぎ着しやすい服を着ていくなど、事前に小さなことを確認するだけで安心感が違います。
スポーツ選手が、試合前、気持ちを落ち着かせるために、バットをぐるぐる回す、手を握り合わせるなど、一連の決まった動作を行うことを「ルーティン」といいますが、この方法はスポーツ以外でも役立ちます。例えば鉛筆と消しゴムを決まった置き方にするなど、いつも勉強の前にするちょっとした動作を決めておき、それを入試の前にもおまじないのようにくり返すと、気持ちが落ち着いてくるかもしれません。

入試後のコーチングで、次の入試に備える

入試の後は、その日のうちにお子さまと一緒に答案を見て、普段どおりできていたかを確認するコーチングの時間をとるのがおすすめです。まちがえたところを責めるのではなく、「ここはまちがいだから、次はこうしようね」「こっちの易しい問題から先にやれば、もっと時間に余裕ができるよ」「今日は少し調子を崩していたけれど、次回は大丈夫だね」というふうに、修正すべき点を見つけながら、次の入試に向け、気持ちを前向きに転換させることが大切です。なお、塾や家庭教師の先生にコーチングを頼める場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

合格発表の後、どんなメッセージを伝えるか

うまくいく場合もあれば、残念な結果に終わる場合もあるのが入試です。どんな結果だったとしても、お子さまが入試本番に向けて努力してきたという事実は変わりません。「努力してきたことのほうが、結果よりもずっと大事」というメッセージを、お子さまにうまく伝えられるとよいですね。
入試が残念な結果に終わった場合、保護者のかたもショックを受けるのは当然と思います。しかし、親思いの子であるほど、保護者の表情をよく見ていますから、保護者の落胆や怒りが子どもにも伝染し、不合格だったことがトラウマになってしまいがちです。ですから、事前に合否のシミュレーションをしておき、どんなメッセージを伝えるか、ご家庭で話し合っておくとよいでしょう。不本意な結果が悔しくてお子さまが泣いているなら、一緒に泣いてあげるのもよいですし、合格なら素直に一緒に喜べばよいのですが、合否そのものを子どもの評価につなげることは絶対に避けるべきです。

メッセージを伝える前に、ここ数年、がんばってきたお子さまの姿を振り返ってみるのもよいかもしれません。お子さまと保護者のかたが二人三脚で努力されてきた経験は、そのご家庭にしかできない、かけがえのないものです。「がんばってよかったね!」と、笑顔で受験を終えられることが何より大切です。喜びも、悲しみも、一歩引いた視点でゆったりと受け止め、前向きなメッセージを伝えることが、お子さまのこの先の学びにつながることでしょう。

ご健闘、お祈りしております。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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