新たな出発の季節、入学までに気持ちをどう切り替える?[中学受験 6年生]

中学入試、本当にお疲れさまでした。喜びでいっぱいのかたも、少し残念な思いでいるかたもいらっしゃると思います。今回は、中学での新生活のスタートに向けて、心がけていただきたいポイントについてお話しします。

夢や目標を抱いて好スタートを切るために

中学生活のスタートは、今後の学びにおいて非常に大切です。中1は、徐々に家族から離れ、大人に近づいていく「始めの一歩」の時期です。この間、家族以外の大人との出会いを通して、自分なりの目標やロールモデルを見出せた子は、その後大きく伸びていくのです。
ところが、入学する学校が第一志望校ではなかった場合、「こんなはずでは」という気持ちを引きずってしまう保護者のかたは少なくありません。そうすると、子どもも保護者の気持ちを感じ取り、罪悪感や後悔にとらわれて、なかなか前向きな気持ちになれないケースがよくみられます。
ですから、保護者のかたはお子さまの前では残念な気持ちは見せず、笑顔でお子さまの入学を祝ってあげていただきたいと思います。子どもたちの多くは、良いお友達ができさえすれば、あっという間に新しい環境になじんでいくものです。大人が子どもに「残念」な気持ちをうつさないよう、気持ちを上手に切り替えることが大切なのです。

「その学校のトップ」を目指すことの意義

中学受験において、第一志望に合格する子どもが全体の3割程度だとすれば、7割は「第二志望」の学校に進学するということになります。ただし、子どものその後の成長の鍵になるのは、「第一か第二か」ではなく、そこを「自分にとってベストの場所」ととらえ、活躍の舞台とできるかだと思います。

そのために、子どもたちにおすすめするのは学校内で良い成績を取り、好きな部活なども思い切りやることです。学内で成績上位の生徒は、自己肯定感が高く、万事に積極的になれる傾向があります。早めに定期テスト対策を始めるなどして、学年トップを目指すことも、自分の実力に見合った学校であれば決して難しくありません。
中学時代は思春期のさなかであり、精神的にも難しい時期です。特にいじめやひきこもりといった問題が起こりやすい中二時代を乗り切るためにも、自己肯定感はとても大切です。
まずは保護者のかたが気持ちを切り替え、お子さまの活躍をおおいにバックアップしてあげていただければと思います。

くやしさをバネに、前向きなリベンジをはかれるか

難関校を目指していいところまでいっていたのに……という悔しさを忘れられない、という子どもも数多くいると思います。そんな悔しさをバネに、中堅校から東大、京大などの難関大学へ入学する例も数多くあります。そうした子たちは、難関校から難関大学へ進んだ子以上に、自己肯定感や意欲が高い場合が多いようです。一度挫折を味わったことで、おおらかにチャレンジできるという良さもあるのです。

保護者どうしのつながりを大切に

気持ちを切り替えるために、保護者のかたにおすすめなのが、新しい学校での保護者どうしのつながりを大切にすることです。中学・高校は子どもが親から離れていく時期なので、子どもの様子がわからないことも多くなるため、多くの中高一貫校では、保護者どうしのネットワークが緊密です。保護者どうしで交流しあううちに、同じ悩みを相談しあえるママ友、パパ友ができたという保護者のかたも数多くいらっしゃいます。

ノートルダム清心学園理事長だった故・渡辺和子さんの言葉「置かれた場所で咲きなさい」ではありませんが、新しい環境で花開こうとするお子さまの努力を、どうかおおらかに見守っていただければと思います。今後のお子さまの活躍を、心からお祈りしております。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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