これからの高校受験で求められる力とは?【高校受験】

大学入試改革の方向性を受けて、高校入試でも思考力・判断力・表現力を問う問題が増えています。「受験生」というと、学校の後は塾などに通い、机に向かってひたすら勉強……といったイメージを持つかたが多いと思いますが、机の上での勉強時間が長ければ思考力がつくとは限りません。
今回は、これからの受験生に求められる力についてお話しします。

変わりつつある高校入試

まず、お住まいの地域の公立高校の入試問題を、ぜひお子さまと一緒に見ていただきたいと思います。
都道府県によって差はありますが、「自分の学生時代とは違うなあ」という印象をお持ちになる保護者のかたが多いのではないでしょうか。

たとえば東京都(2018年)の社会では、「写真を見て、その撮影地点が含まれる地形図を選ばせる」、「1961年に制定された『農業基本法』の内容と関連して、同じ地域の地形図を見比べ、道路の変化について簡単に記述させる」「『情報』をテーマに、様々な時代の出来事を述べた選択肢を年代順に並べる」といった問題が出されています。
また、英語では英文を聴いて答えを自分で書く問題や、英文のEメールを読んで、その返信の内容を考え、条件に合うように3つの英文を書く問題が出ています。

すべて中学校で習う基礎事項をもとにした問題ですが、解答するためにはどの知識が使えるか、頭を柔軟に働かせる必要があり、覚えた用語をそのまま答えればよいような問題は減っています。

求められるのは初見の問題にも対応できる力

都道府県や高校によっては、たとえば神奈川県の「特色検査」のように、教科を超えた総合的な問題や作文・小論文、スピーチなどを課すところもあります。文書やグラフ・表、写真や絵画など様々な資料を読み取り、自分なりに問題点を理解した上で「自分の考えを述べる」「解決策を考える」というような、正解がひとつに決まらない問題は、今後ますます増えていくでしょう。

その背景には、学習指導要領の改訂と、それと並行して進められている大学入試改革があります。初めて出会った問題に対して柔軟に思考し、対応する力が求められているのです。このような力は、これからの変化の激しい時代を生き抜く上で、必ず役に立つのではないでしょうか。

受験勉強のイメージも変わる?

初見の問題にも対応できる思考力・判断力・表現力をつけるには、中学で教わる基礎事項を、使いこなせるレベルまでしっかりと身につけておくことが大切です。その上で、社会の動きに関心を持ち、「これはなぜだろう」「こんなとき、自分ならどうするだろう」などと様々な角度から考えることに慣れておく必要があります。

受験生活も「毎日、学校と家、塾などの往復だけ」「机に向かってひたすら暗記と問題演習」といった従来のイメージとは違ってくるでしょう。保護者のかたは、新聞やテレビのニュース、生活にまつわる身近な出来事を家族で話題にする、一緒に学校見学や社会見学に出かけるなど、お子さまの「考えるきっかけ」づくりに協力していただければと思います。

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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