これからの受験生活に必要なことは?【高校受験】

大学入試改革の方向性を受けて、高校入試でも思考力・判断力・表現力を問う問題が増えています。受験生活も「机に向かってひたすら暗記と問題演習」という従来のイメージとは違ってくると考えられます。
今回は、これからの受験生活に必要なこと、保護者のかたに意識していただきたいポイントについてお話しします。

「やりたいこと」について根本的に話し合う機会を早めに持つ

現在、高校教育も大学入試も大きく変わろうとしています。
高校では、自分でテーマを見つけ、リサーチを行い、レポートやプレゼンといった形で発表する「探究」型の授業が増えていきます。
また、大学入試は、高校での学びの成果と大学で学びたいことをマッチングしていくAO・推薦入試が増える見通しです。つまり、言われたことをやるのではなく、「主体的な学び」が求められているのです。この方向性とともに、高校入試も変わりつつあります。

ですから、お子さまと是非、早い段階で「高校でやってみたいこと」「関心のある方向性」など、根本的なことについて話し合い、そこから進路について一緒に考えてあげるようにしてください。入試が近くなると、お互いに余裕がなくなり、どうしても「入れそうな学校」という視点でしか考えられなくなってしまいます。

「やりたいこと」を考えるきっかけとして、高校見学も早めに行くとよいでしょう。

「インプット」と「アウトプット」のしやすい環境づくりを

高校入試では、中学校で学んだ基礎事項をもとに、現実社会と関わりの深い、初見の問題に対応する力が求められるようになりつつあります。初見の問題に対応するためには、ふだんから様々な問題に関心を持ち、考える材料をたくさん仕入れておくこと(インプット)、材料をもとに自分なりに考え、人にわかりやすく伝えること(アウトプット)の両方が必要です。頭の引き出しの出し入れをスムーズにしておくといいんですね。

そのための環境づくりとして、ご家族のかたに心がけていただきたいポイントをいくつか挙げます。

・新聞を購読する・テレビなどのニュースを話題にする
社会の動きに関心を持つことは非常に大切です。ぜひ、日本や世界のニュースを話題にしてみてください。見方や考え方を「教える」のではなく、保護者のかた自身が気づいたことにちょっとコメントしたり、「私はこう思うんだけど……」というふうに自分ごととして発言したりすると、お子さまにとっても考える材料になると思います。

・「自分のことは自分で」が基本
「受験生だから」お手伝いはさせない、勉強部屋の掃除や食事の片付け、洗濯物の始末、買い物など身の回りのことをすべてしてあげるというのは、今後の入試の方向性を考えればかえって逆効果になります。衣食住に関わること、たとえばスーパーの食材の並び方、産地や調理法ひとつとっても、考える材料がたくさん含まれているからです。

・子どもが「今好きなこと」「打ち込んでいること」は大切に
お子さまが今打ち込んでいる部活や趣味、習い事などがあれば、その時間は大切にしてあげてください。部活は夏か秋に引退となる子が多いと思いますが、その経験はかけがえのないものだと思います。学生時代にスポーツや芸術に打ち込んでも、プロのスポーツ選手や芸術家になれる人は一握りですが、「好きなこと」を軸に身についた思考力・判断力・表現力は、高校入試はもちろん、大学入試にも、将来仕事を持つようになっても、必ず役に立つでしょう。

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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