私立中学の「適性検査入試」はなぜ増え続ける?【中学受験】

2010年を皮切りに実施されてきた私立中学の適性検査入試は、年々新設する学校が増え、2018年には、首都圏の学校の延べ114校が、適性検査入試を実施する予定です。なぜ、適性検査入試は増え続けるのか、公立中高一貫校を通じて見た私立中学の受験について、森上教育研究所がお伝えします。

公立一貫校の併願としての適性検査入試

適性検査入試を行っている私立中学の中で、受験者数が多い学校を見ると、安田学園、宝仙学園、開智日本橋学園、聖徳学園などが挙げられます。これらの学校の特徴は、安田学園の場合には両国高等学校附属中学校、宝仙学園の場合にはや小石川中等教育学校、富士高等学校附属中学校、聖徳学園の場合には三鷹中等教育学校や南多摩中等教育学校といった、公立中高一貫校の近くにある学校の場合が多く、公立中高一貫校の併願校として受験する生徒が多いことがわかります。

ご存じのとおり、公立中高一貫校の応募倍率は7~10倍という難しい入試です。適性検査入試を実施している私立中学は、中学受験の偏差値としては偏差値がつかない学校が多いのが特徴ですが、学校側としては、本命の公立中高一貫校には落ちたものの、学習意欲のある優秀な生徒を受け入れたいという思惑があります。また、特待生を受け入れている場合は、私立中学でも公立と同じく授業料がかからないため、20倍以上の倍率になることも珍しくありません。

公立の本番の前に練習として受ける傾向が強い私立の適性検査

公立中高一貫校の適性検査の場合、私立の一般受験と違い、長くて一年、短くて2~3か月の準備期間で本番を迎えることがほとんどで、塾の費用などはあまりかけないですますケースが多いようです。しかし、適性検査の問題は非常に高度で、解答がいくつもあるような記述式の問題では、「こんな問題、本当に解けるの?」と大人でも尻込みするような問いが用意されています。それに比べると、私立の適性検査の問題は比較的易しく、2月3日の本番の前に、練習として私立中学の適性検査を受け、自信をつけたいという思いから、受験者数が伸びているという面もあります。

東京と神奈川の公立高校は2番手校でももはやGMARCHへの合格は難しい

公立一貫校受験、私立中学受験にかかわらず視野に入れてほしいのは、大学の進学実績です。特に、都立高校と神奈川県立高校に関しては、トップ校は別として、1.5番手校~2番手校でも、GMARCHへの合格が難しくなっているということを頭に入れておいてほしいと思います。
公立一貫校の受験が残念な結果となり、公立中学から公立トップ校へのチャレンジをねらう場合、トップ校に入学できないと、現役でGMARCHに合格するのが極めて難しくなってしまうのです。

こうしたことを考慮に入れると、適性検査入試を行っている私立中学で、偏差値が低い学校だったとしても、改めて大学進学実績を見ると、国立早慶GMARCHを含めて、8割くらいの実績を出している学校もあります。
金銭面などの事情で私立中学には行けないものの、公立中高一貫校を志望する場合は、適性検査を実施している私立中学で特待生枠をねらうのも一つの選択肢と言えます。改めて進学実績を確かめてみると、お子さまの今後のチャンスがより広がる可能性があります。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(1977年に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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