たった6年で東大合格者を複数名出した公立一貫校、適性検査の存在感は大きかった!?【中学受験】

首都圏では、今や延べ7,000人もの生徒が受験するほど人気となった公立中高一貫校。人気の要因は公立のため授業料がかからないことと、大学進学実績です。森上教育研究所では、適性検査の問題の特徴がその実績に結びついているのではないかと考えています。どういうことなのか、具体的にお伝えします。

適性検査と大学進学実績の関係

法律上、公立中高一貫校は、過度な競争状況を招かないというのが設立の前提条件になっており、その趣旨のもと、「選抜試験」はやってはいけないことになっています。そこで、実施されることになったのが適性検査で、これは選抜試験ではなく、「適性を見るもの」として、実施されていますが、公立中高一貫校としては、選抜試験を行いたいというのが本音でしょう。
だからこそ、公立中高一貫校は難しい適性検査を用意して、なんとかポテンシャルの高い生徒に入学してもらえるよう取り組んでいるという実情があります。実際に、公立中高一貫校に合格した生徒の中では、適性検査の出来が良かった生徒ばかりでもありません。

一方で、この適性検査を受けて公立中高一貫校に入った生徒が、実績を出しているのも事実です。公立中高一貫校は年々受験者数が増え、首都圏では今や延べ7,000人もの生徒が受験するようになりました。例えば、神奈川県の相模原中等教育学校では、設立時に入学した生徒で10名以上の東大進学実績を出しました。
私立中学で同じくらいの実績を出すのに20~30年かかっていることを考えると、たった6年間でこれだけの実績を出したという衝撃は大きかったということがおわかりいただけると思います。

学習指導要領の流れに合った適性検査の問題

適性検査は、私立中学の一般入試問題のように、個々の単元の知識を問うのではなく、その知識を活用する力を問う問題で構成されています。これは、新しい学習指導要領の流れでもあり、これからの大学入試や高校入試、そして中学入試の方向性を先行しているわけです。

今は難易度がかなり高く、子どもたちの出来との乖離もありますが、これから年月を経るにつれ、実情に合った設問へと工夫されていくことが予想されます。今でも、非常に難しいとはいえ、都立の共通問題では、本質的な学力を問う「良い問題」が蓄積されつつあります。この問題を解けた生徒が、東大合格という実績を出しているのは事実ですから、適性検査は、学力の図り方として、意義の深いものと言えるのではないでしょうか。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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