入り口偏差値と出口偏差値から見る「お得な学校」とは?【中学受験】

中学受験では、大学合格実績という出口戦略が人気を左右するものです。特に、来年の入試は、東京の小学6年生の人口増で大きく受験生数の増加が見込まれ、どの学校も倍率上昇は免れないと言ってもいいでしょう。
そこで、併願校を選ぶ際は、入学時の偏差値が同じくらいでも、6年後にどれだけの実績を上げられるか、出口の偏差値を参考にして選ぶと合格・進学先が確保しやすくなると、森上教育研究所では考えています。
今回は入りやすくて出口の良い、いわば「お得な学校」についてお伝えします。

出口偏差値から入り口偏差値の「ポイント」が高い学校ほどお得!

入学時の偏差値を「入り口偏差値」、卒業時の偏差値を「出口偏差値」と呼び、その出口偏差値から入り口偏差値を引いたポイントが大きい=入学後に学力を伸ばしてくれる学校をご紹介します。
ここでは、難関国立大学を除いた首都圏の生徒に人気のある国公立大(北海道大、東北大、筑波大、東京外国、電通大、東京学芸、東京農工、埼玉、千葉、横浜国立、首都大、横浜市)と早慶上智ともに合格実績を伸ばしているのを基準として、四谷大塚版の偏差値45以上55未満で学力を伸ばしてくれる学校をメインに取り上げます。

【男子】

【女子】

表は以下のように使います。

たとえば、現在の偏差値が50以上55未満のお子さまの場合、併願校もこの偏差値の範囲で選ぶことになるかと思います。しかし、今までの模試の受験者数から、来年度の受験は倍率が非常に高くなることが予想されます。偏差値だけで併願校を選んでしまうと、その倍率ゆえに、どの学校にも合格できないおそれが出てきます。
そこで、偏差値が5~10ポイント下の学校を併願校として選ぶことになるわけですが、その際に、第1志望校と出口が一緒の学校選びをすることが大切です。

具体的には、現在の偏差値が50以上55未満であっても、偏差値が50に近い受験生の場合は、45以上50未満の偏差値の学校でポイントが高い学校を第1志望にすると出口実績では、第1志望校と同じということになります。一方、偏差値が55に近い受験生の場合は、45以上50未満でポイントの高い学校を安全校として選んでおけば、偏差値50以上55未満の第1志望校と出口は一緒ということになるわけです。

たとえば、桐蔭学園中を見ると、入り口偏差値は54、出口偏差値は10.2ポイントを足した64.2になります。これと同じ入口偏差値の学校を探すと、渋谷教育学園渋谷の64というのが見つかり、入り口の偏差値が低くても、出口としては渋谷教育学園渋谷と同じ実績が見込めるというわけです。

この調査は、今年で6年目になりますが、学力を伸ばしてくれる学校は、共学校が多い結果となりました。特に、この偏差値50前後の学校で人気国公立大学と早慶上智で実績を上げているのは、リニューアルした共学校が多い結果となりました。大学合格という出口を見据え、家庭学習までフォローするという手厚さが、こうした実績に結びついたと言ってもいいでしょう。
併願校選びでは、従来の学校のタイプだけで選ぶのではなく、こうした実績も考慮に入れて選べるといいですね。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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