子どもの情操にも 昆虫に触れて自然を学ぶ

子どもの情操にも 昆虫に触れて自然を学ぶ子どもが実際に昆虫に触れる機会は減っている。しかし、人間社会と自然環境との共生が重視されているからこそ、「幼少期から昆虫と触れ合うことが大切」と、「ファーブル昆虫館『虫の詩人の館』」館長の奥本大三郎氏は言う。その意図するところを、詳しく伺った。

 

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カブトムシやバッタなどを捕まえて遊んだというような経験を通じ、自然とは、命とは……と思いをめぐらせていく、そんな経験を今の子どもたちがあまりしないとしたら、残念なことです。虫に興味を持って接していくことは、子どもたちが自然についての知識や感覚を身に付け、情操を育んでいく絶好の機会となります。虫は、生き物の中でも自分の手に取って触れますし、捕まえるのも簡単です。また手軽に飼え、「身近に触れられる自然」なのです。子どもは何でも触って、ものを知り、覚えていくものです。触ることで生きていると実感できるのでしょう。

 

子どもが身の回りにいる虫を捕まえたくらいで減ることはほとんどありません。種類によって違いますが、たとえば、チョウはメス1匹で数百の卵を産みますが、成虫になるまでに、大半がほかの生き物に食べられてしまいます。そのようにして、1種類の生き物が増えすぎないようにバランスをとっているのです。また、成虫となっても、死んでしまえばアリや鳥といった生き物が死骸を食べます。ですから、たとえば、捕まえてきた虫が死んでしまったら、土に埋めたりするよりも、草むらにおいて、虫の死骸を食べる動物に返してあげれば、それでよいのです。

 

虫に触っているうちに死なせてしまう。または、子どもが虫に対して残酷なことをしたり、わざと殺したりということもあると思います。「死」というものを理解するのは、小学2~3年生くらいでしょうか。お子さまが虫を殺してしまった場面を見ると、残酷だからと注意したり、命を大切にと諭したりすると思いますが、小さな子どもにはそれを受け入れる土台ができていないのです。結果的に死なせてしまっても、小さいころに虫や動物などの自然に触れてこそ、大人になってから自然に思いをめぐらし、自然を大切にするのでしょう。

 

出典:昆虫観察のススメ【前編】 ~見て、触れて、自然の不思議を感じよう -ベネッセ教育情報サイト

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