大学1年生の学費は初年度納付金+αの「α」に要注意

この4月、お子さんが上級学校に進学するご家庭では、制服を作ったり、入学金などの学校納付金を納めたりなど、着々と準備を進めていることでしょう。
特に、大学や専門学校へ進学するお子さんのいるご家庭は、高校に比べて高い納付金を納めてホッとしているのではないでしょうか。
けれど、油断は禁物。入学前後には、まだ、いろいろな支出が待っているのです。

■教科書代は含まれていない

大学は、1年間分の授業料や諸経費をまとめて前払いするのが原則で、月謝制はありません(一定の条件を満たした場合に限り月謝制を認める学校もありますが、レアケースです)。100万円を超えることも珍しくない初年度納付金を、入学前に一括納入することになりますが、一般的には前期と後期の2分割制です。

つまり、高校3年生の秋から冬にかけて入学手続きする際は、入学金と前期の授業料等を納めることになります。この入学手続き費用を納めれば、大学への入学が認められ、お子さんは4月から晴れて大学生。大学1年生の秋に、後期分の授業料等を納めるまで、費用面では一息つけそうですね。

しかし、授業料等の「等」には、授業に必要な教科書代は含まれていませんし、1人1台ノートパソコンを持つことを推奨している学校の場合、そのパソコン代も含まれていません。

教科書は、教科書用に作られたものを使用する高校までとは異なり、学生が選択した授業によって一般の書籍を購入するので、価格は高めになります。多く見受けられるのは、1年間で数万円程度ですが、10万円を超える学部・学科もあります。

パソコンは、大学が推奨する製品でなくても構わないとされ、既に持っているものを使っても、量販店でリーズナブルなものを購入しても大丈夫です。ただし、授業で使用する大学指定のアプリケーションソフトを入れてもサクサク動く能力を持つものであることが求められます。パンフレットに並んでいる細かい性能の差を判断するのは簡単ではないこと、大学推奨の製品は4年間の保証がついていることが多いこと(通常は、もっと短い)、使い方で困ったら大学でサポートしてくれることなどから、多少価格が高くても、推奨品を購入したくなるようです。

このように、学校に納める費用以外にも、学業に直接かかわる費用が10万~30万円程度はかかるため、あらかじめ用意しておきましょう。

■その他の費用も

通学する距離が高校時代と同じであっても、定期券代が高くなる交通機関があります。学生割引の中に区分があり、大学生は高校生よりも割引率が小さいため、料金が高くなるのです。

入学式に出席するために、スーツを購入することもあります。成人式や就職活動にも使えそうな、しっかりしたものを購入しようとすると、それなりの金額になります。スーツに合わせて靴やかばん、コートなども買えば、さらに支出は膨らみます。

入学後、学生生活について説明するためのガイダンスやオリエンテーションを、宿泊を伴う形式で実施する学校もあります。費用は1万~2万円台というところです。また、1年次とは限りませんが、研修旅行を実施する学校や、学部・学科があります。参加は任意であることがほとんどですが、子どもが参加を希望しそうな場合は、やはり事前の準備が必要になります。海外の場合の費用は30万円を超えることもありますから。

■オープンキャンパスなどで事前確認

教科書代などは、募集要項に具体的な金額が書かれていないことがほとんどです。確かに、選択する授業によって使用するものが違うのですから、説明のしようはないのかもしれません。とはいえ、おおよそでよいから知っておかないと、準備するほうとしては困ってしまいます。

この教科書代を含め、学業にかかわる費用ではあるけれど、募集要項に載っている以外の費用については、オープンキャンパスで確認しましょう。「入学後のことは答えられない」と言われることもありますが、「今年の実績でいいからおおよそを教えて」と言えば、たいてい教えてもらえます。

いずれにしても、大学入学初年度には高校時代とは違う費用がかかることが多いのです。余裕を持って、すぐに動かせる資金を用意しておきましょう。

(筆者:菅原直子)

プロフィール



「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。ファイナンシャルプランナー、教育資金コンサルタント。子育て世帯の教育費を中心としたライフプラン相談、進学資金が不足している高校生と保護者向けの教育資金セミナーおよび親が老後破産しないためのアドバイスに注力中。「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。子どもは3人。

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