なかなか片付けてくれない…片付けられない子どもへの接し方

 部屋が散らかっているのに、片付けるように言ってもなかなか片付けてくれない…そんな子どもがきちんと部屋を片付けるようにするために、親はどうすればよいのでしょうか。子どもの心のコーチングについて、著書も数多く出されている菅原裕子さんに、片付けられる子どもにするための声かけについてうかがいました。

子どもが片付けをすることのメリットとは?

 おもちゃで部屋が散らかっていると親としてはイライラしてしまいます。親がやってしまったほうが早いと思うのですが、子どもが自分で片付ける習慣をつけさせたいです。子どもが片付けをすることのメリットはどのようなことでしょうか。

親は子どもが整った環境の中で暮してほしいと思っています。将来子どもは学校へ行ったり、社会に出たりして、人と一緒に働いたり、暮らしたりします。人によって、きれいの基準は異なりますが、ひとまず物が片付けられれば、人と一緒に働いたり、暮らしたり、楽しむことができるのです。

片付けられる子どもに育てる声かけや接し方

 きちんと片付けられる子どもに育てるには、親はどのように接すればよいのでしょうか。
すぐにできるようになることを期待せず、気長に「一緒に片付けましょう」と親が片付けるところから始めることをおすすめします。「片付けなさいって言ったでしょ!」と怒られることの多い子どもは、お片付けと怒られる体験がくっついて、お片付けはいやなことになってしまいます。つまりお片付けが「不快」なことになってしまうのです。

片付けは楽しい、気持ちがいいことと教えてあげるためには、「じゃ、どっちが早く片付けられるか競争しようか」と楽しみながらできるように工夫をしてあげたいですね。また、片付いたら「きれいになったね、気持ちいいね」と、片付いて気持ちいいことを教えていくこと。お片付けが「快」であると認識すれば、子どもも片付けをすすんでやるようになりますよ。

まずは「部屋は片付いているべき」と思いつめず、「片付いていたらうれしいけど、子どもがいるとそうもいかない」と受け止めましょう。そして子どもには「お母さん、片付いていると気持ちがいいの。協力してください」「あと15分でご飯になるので、それまでに片付けてください」と親の都合や希望をはっきり伝え、協力を求めます。一日中「終わったなら片付けて!」と言い続けるより、「食事の前には机を、お風呂の前には広げたおもちゃを、必ず片付ける」などのルールが決まっていれば、習慣づけしやすいでしょう。

プロフィール


菅原裕子

人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。1995年、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム-ハートフルコミュニケーション-を開発。2006年にNPO法人ハートフルコミュニケーションを設立。『子どもの心のコーチング』『10代の子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)など、著書多数。

NPO法人ハートフルコミュニケーション
https://www.heartful-com.org/

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