夏休みの図書館活用法〜中・高生の調べもの 意外と知られていないココをチェック!〜

自由研究やレポートなど、中高生になると、調べものの機会も増えてきます。そこで、困った時の図書館徹底活用法について、大田区立羽田図書館・司書の凍田伊津子さんにお聞きしました。

基礎資料コーナーも利用して

中高生になると、蔵書検索端末は使いこなしているお子さまが多いと思いますが、意外と知られていないのが、百科事典・地名辞典・人名事典などが並んでいる基礎資料コーナーの使い方。たとえば「ファッション」について調べたいなら、百科事典で調べると、世界や日本の服飾に関する情報が短くまとまっています。それでざっと全体像をつかんでから、カウンターで「この時代のファッションについて知りたいんだけど……」というふうにご相談いただければ、私たちも求める資料をご提供しやすくなります。

地元の歴史なら郷土資料コーナーにお任せ!

新しい情報や一般的なことを調べるには、事典よりインターネットのほうが便利な場合が多いのですが、たとえば「100年前、自分が生まれた町はどんな場所だったか」を調べようとしても、ネット上には情報がないことも。そんな時は、ぜひ図書館の郷土資料コーナーをご利用ください。多くの図書館は、各地域の資料収集に力を入れています。全国的に有名でない町や、その町に関わる人物、方言や言い伝えなどについても、図書館で調べれば簡単にわかるケースもあります。

答えにたどりつくまでの過程を楽しんで

ときどき「問題の答えを教えて」「答えが載っている本を教えて」と頼まれることがあるのですが、私たち司書の仕事は、あくまで求める資料にたどりつくお手伝いであって、答えをご提供することではないんですね。中高生のお子さまには特に、答えだけをほしがるのではなく、自分で調べて答えにたどりつくまでのプロセスを大切にしていただきたいと思います。

また、「神様はいるのか」とか「友達関係の悩みはどうすれば解決するか」といった質問にも、私たちは答えることができませんが、利用者のかたが求める答えにたどりつけるよう、悩みながらもさまざまな本をご紹介しています。ご希望に応じて適切な資料を提供できるよう、私たちも努力していますので、相談はお気軽になさってください。

本や人との出会いの場としても利用を

図書館は、あらゆる年齢の方々を受け入れるところです。たとえば当館は比較的ご高齢の利用者が多く、落語CDの貸し出しが多いため、数年前から落語家のかたをお呼びして「はねだ寄席」というイベントを始めたところ、小学生にも落語ファンが増え、毎回楽しみにしてもらえるようになりました。今後も、「本」や「言葉」を切り口に、さまざまな世代の交流が生まれる場としていけたら……と考えています。

中高生になると、部活や勉強で忙しいためか、本の貸し出しは減ってきます。しかし、勉強で読書室を利用したついでにでも、ぜひさまざまな本を手に取っていただきたいですね。多くの図書館で、中高生にも読みやすい「ヤングアダルト」向けの本を充実させています。勉強の合間にゆったりと絵本を眺めたり、少し背伸びして大人の本をのぞいたりするのもよいのではないでしょうか。

地域の図書館に長く勤めていると、子どもたちの成長を実感することがあります。おはなし会に来ていたあの赤ちゃんが、こんな難しい本を読めるようになったんだ……とひそかな感慨を抱くことも。図書館は、さまざまな国や時代の知を集めた情報発信の場。あらゆる年代の方々に、気軽に楽しく、末永く利用していただきたいですね。

<おすすめの本>全年齢

Oxford Reading Tree シリーズ

イギリスの小学校で教科書として使われている絵本のシリーズ。辞書を引かずに読めるので、英語の多読教育に最適。幼児にも、リスニングをマスターしたい中高生や大人にもおすすめです。

プロフィール


凍田伊津子

東京都大田区立羽田図書館副館長。「はねだ寄席」や「羽田歴史講座」など、地域と連携したイベントを多数企画、実施中。

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