子どもの料理のお手伝い、予定を組んでイベントとして楽しんで

子どもに料理のお手伝いをさせたいけど、時間がなくてなかなか始められないというお悩みを持っている保護者のかたは多いかもしれません。子どもが一人で作れるレシピを集めた『ひとりでできる子どもキッチン』(講談社)の著者である上田淳子さんに、お手伝いをさせる際のポイントを伺いました。

料理のお手伝いのハードルを上げずに取り組んでほしい

多くの保護者のかたは、「お手伝いをする子に育ってほしい」と思っているものの、「自分がやった方が早い」「かえって手間が増える」と考えがちな料理のお手伝いを、いつからさせるべきなのか悩んでいるかたも多いと思います。
その中で、クッキーを焼いたりマフィンを焼いたりという特別感のあることをやろうとすると、その大変さから、次からはもうやらないという悪循環に陥ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、小学生のうちにお手伝いを通して料理の楽しさを知っておくと、大学生や社会人になっても自分で料理を作るのが自然なこととして定着し、食べるもので健康管理ができるようにもなります。
また、何かの都合で保護者のかたの帰りが遅くなったとき、家にある食材でちょっとした料理を作ることができたら、暗くなってからコンビニに買いに行かせるという心配事もなくなります。

子どもの好きなものを一緒に作ることからスタートして

幼稚園の年中さんくらいになると、「お母さん、お父さんみたいに料理をしてみたい!」と思い、“やってみたいオーラ”を出すお子さまは多いもの。当然、仕事から帰ったあとの忙しい夕飯作りなどでは難しいと思うので、保護者のかたに時間の余裕があるときに取り組んでみましょう。
具体的には、休みの日に予定として組み込んでしまうのがおすすめです。「〇〇ちゃんの好きなカレー、この日に作るけど、一緒にやってみない?」などと誘って、月に1~2回、イベントとしてやってみるといいでしょう。この日にやるとあらかじめ決めておけば、保護者のかたも余裕をもって取り組めると思います。
あまり料理のお手伝いに興味を示さないお子さまの場合も、自分の好きな食べ物を作るとなると、待ちわびる気持ちが出てくるはずです。

保護者のかたは“二人羽織の後ろの人”の感覚で!

お子さまの年齢や得意不得意にもよりますが、幼児の場合、はじめて料理のお手伝いをさせるときには、保護者のかたは、お子さまの後ろから手を伸ばしてサポートする“二人羽織の後ろの人”くらいの感覚ではじめるのがよいと思います。
実際には保護者のかたがほとんど助けながら作ったとしても、自分の手元に集中しているため、「自分でやった!」という達成感が得られやすく、「もっとやってみたい」という気持ちにもなります。

何回かお手伝いを重ねていくうちに、お子さまに任せる割合を増やしていきます。火や包丁を使う工程で、まだお子さまには難しいと感じる場合は、「今度やってもらうかもしれないから、見ていてね」などと声をかけます。
そうして自分が作ったものが、おいしかったり家族に喜んでもらえたりという経験をすれば、料理のお手伝いをしたいという気持ちは、どんどん伸びていくと思います。そして、お子さまが一人でできることが増えていけば、保護者のかたは少しずつ任せられることが増えていき、お母さんだけが食事で家族の健康管理を一手に担うという大変さからも、少しずつ解放されるはずです。

時間のある夏休みは、お子さんにとっても料理に挑戦するチャンスです。ぜひ親子でコミュニケーションの一貫として取り組めるとよいですね。

プロフィール

上田淳子

料理研究家。兵庫県神戸市生まれ。辻学園調理技術専門学校の西洋料理研究職員を経て渡欧。スイスではホテルのレストランやベッカライ(パン屋)を始め、フランスではミシュランの星つきレストランやシャルキュトリー(ハム・ソーセージ専門店)などで修業を積み、帰国後は東京のサロン・ド・テでシェフパティシエとして勤務したのち、料理研究家として活動。大学生の双子の男の子の母であり、自らの育児経験と知恵を生かした作りやすい家庭料理のレシピが好評。子どもと家族の“食”に関する活動を行い、『るすめしレシピ』(自由国民社)、『共働きごはん夕食を作りながら作りおきもできる!』(主婦の友社)、『離れている家族に冷凍お届けごはん』『ひとりでできる子どもキッチン』(講談社)など著書も多数。

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