要注意! 熱中症のリスクは水分不足だけではない!?

記録的な猛暑が続く今年の夏。熱中症におちいってしまう人も一段と多く、お子さまや家族の体調管理についてより細かなケアをしている保護者のかたも多いのではないでしょうか。小児科医で公衆衛生専門医の伊藤明子先生は、水分不足だけでなく、睡眠不足と栄養不足も熱中症リスクを高めるといいます。どのような生活習慣を心がければいのか、具体的に教えていただきました。

そうめん・スイカだけではNG! 栄養不足が熱中症リスクを高める

熱中症対策として、水分摂取が大切なのはさまざまなメディアでも伝えられていますが、睡眠不足と栄養不足についてもぜひ気をつけてほしいと思います。
猛暑の中で、どうしても食欲が落ち、冷たいものや喉ごしのいいものに食生活が偏りがちです。代表的なものは、そうめんとスイカですが、この二つでは、1日に必要な栄養がまったく足りていない状態です。
夏休みにありがちな食生活として、例えばこんなことはありませんか?
「昼食にそうめんやスイカを食べる→とりあえずお腹はいっぱいになる→そうめんは小麦から出来ているので、食後急激に血糖値が上がり、眠くなる→寝て起きると体が重い→間食にアイスを食べる→また血糖値が上がり眠くなる→夕飯も食欲がなく、冷やし中華を食べる……」
このような生活が続くと、お腹はいっぱいになるものの、タンパク質、そして発達や代謝機能を適切に維持する微量栄養素が足りず、栄養不足におちいってしまいます。

こうした栄養不足に、寝苦しい夜の睡眠不足が続くと、朝も食欲が出ないということもあるかもしれません。しかし、朝食を食べないで出かけるということ自体が、熱中症リスクにつながるため、ぜひ朝食は食べてほしいと思います。私は、塩分と栄養を摂取するという意味でも、毎朝1杯の具だくさんの味噌汁や豚汁をおすすめしています。あまりしょっぱすぎるものではなく、薄味のものを毎日飲めるといいですね。

料理の味付けは食欲増進するソースで工夫を

足りない栄養を補うのに最適なのは魚介類や肉類の動物性タンパク質ですが、魚は特に調理のハードルが高く、料理のレパートリーでお悩みの方も多いかもしれません。また、夏の暑い中、長時間火を使う料理は、なるべく避けたいという気持ちもわかります。そういうときにおすすめなのが、「魚と野菜のオイル蒸し」です。調理のしかたは簡単で、フライパンに先にレタスやキャベツの外葉を敷き、そこにお好みの魚をおいて、野菜やハーブあるいはお薬味と一緒にオリーブオイルをかけて蓋をし、蒸し焼きにするだけ。
味付けはその時々でお好みのソースを作り、蒸し上がった魚と野菜にかけて食べます。オイル蒸しは冷めてもおいしく食べることができるので、温かいものを口にしたくないときにもいいと思います。

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プロフィール


伊藤明子(いとう みつこ)

小児科医、公衆衛生専門医、同時通訳者。
東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で臨床研修。同病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻終了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children,Healthy Lives代表理事。
著書・共著に『天然ヘルシー「調和食」レシピ』『イタリアン・テルメ』など。

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