いじめられている我が子にどう言葉をかけたら……[教えて!親野先生]

 

友達ではないけれど、顔はわかる程度の上級生・同級生・下級生から「ウザい・キモい・死ね」等と言われるととても落ち込んでしまいます。家に帰って兄弟と遊んでいる時は気が紛れるのか、普段どおり過ごせるのですが、ひとりの時間にふと思い出し、泣いてしまったりします。親として、どう言葉かけをしてあげたものか……答えがまだ出ない状況です。(UKOさん)

 

【親野先生のアドバイス】

UKOさん、拝読いたしました。

これは、明らかにいじめです。
こんな言葉をぶつけるのは、いじめ以外の何ものでもありません。
毎日、どれほどつらい気持ちで過ごしていることでしょう。
それを見ている親のほうも、さぞつらいことでしょう。

これは、絶対に解決してやらなければなりません。
親が絶対に救ってやるという固い決意をしてください。
親が本気になれば、必ず問題を解決することができます。
子どもの力だけでは解決できません。
まず、親が「絶対に我が子を救ってやる」という断固とした決意をしてください。
そして、勇気をもって行動してください。
このままだと、子どもはずっと苦しみ続けることになります。

これは、先生に話して、対応してもらう必要があります。
しかも、上級生や下級生も関係しているということなので、担任だけでなく学校全体の問題として取り組んでもらわなければなりません。

その依頼のためには、直接学校に行ってきちんと話したほうがいいでしょう。
事前にアポイントを取って、校長・教頭・生徒指導主任・学年主任・担任が揃っているところで依頼するのが一番です。
こちらも、父親と母親で揃って出向いたほうが真剣さが伝わります。
服装もきちんとフォーマルなものにしてください。
買い物のついでに来ましたという感じでは、ことの重大さとこちらの真剣さを伝えることはできません。

「いじめについて学校に相談したけど、真剣に取り組もうとしなかった」という話を聞くことがあります。
マスコミでもそういう話がたくさん紹介されてきました。
それで、学校に相談しても無駄だと思い込んでいる人たちが多いようです。

でも、実際は、学校が真剣に取り組みいじめを解決した例はそれよりはるかに多いのです。
ただ、そういう場合に、大きく喧伝されることはありません。
いじめた側にとってもいじめられた側にとっても、喜んで人に話すようなことではないからです。
ましてや、マスコミが「○○小学校のどこどこで、こういういじめがあったけど解決しました」と大々的に紹介することなどあり得ません。

このようなわけで、いじめがあった場合は、「学校に言っても無駄だ」と思わないで、ぜひ学校に相談してほしいと思います。

話し合いでは、まず、親がつかんでいることと学校がつかんでいることを出し合ってください。
親が知らないことを学校がつかんでいることもありますし、もちろんその逆もあります。

それらを出し合うだけでも、解決の糸口が見えてくることもかなりあるのです。

そして、我が子に対するいじめを金輪際なくしてもらうよう、強く要請することです。

担任だけでなく、学校長の責任として解決してもらうように言うことです。
親の真剣さと強い決意を伝えることが、とても大切なのです。

でも、それは、感情的に言い募るということではありません。
「うちの子がいじめられているのをどうしてくれるんだ!」という言い方ではありません。
苦情を言いに行くのではなく、相談に行くという姿勢が大切です。

なかには、こういうとき、いきなり感情的に爆発して、一方的に非難をぶつけるような話し方をしてしまう人がいます。
そうすると、言われたほうは、どうしても守りに入ってしまいます。
守りに入ると、腹を割って話し合うということはできなくなります。
何かつかんでいることがあっても、「これは言わないほうがいいかな」という判断になることもあるのです。
それは、どちらにとっても不幸なことです。
子どもにとっても決して良い結果にはなりません。

相談しながら一緒に問題解決をしていく、という姿勢が大事です。
それと同時に、落ち着いた態度のなかにも、親の真剣さと強い決意を伝えることです。

いい加減な対応ではすまされないことを、学校側にわかってもらわなければなりません。

プロフィール


親野智可等
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・『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』(ダイヤモンド社)
・『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)


長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。
Instagram、Threads、X、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。最新刊『子育て365日』などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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