外ではしっかりしているのに家ではダラダラしている娘[教えて!親野先生]
教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。
【質問】
6年生の長女は学校や少年団の役員や習い事をしたがり、結局何でも中途半端にしてしまい、困っています。
学校では、しっかりしていて先生や友達の信頼はあるようですが、家では部屋は散らかり、塾の宿題やピアノの練習をしないなど、どうしたら良いか考えてしまいます。
(j-まま さん)
【親野先生のアドバイス】
j-まま さん、拝読いたしました。
6年生で学校や少年団の役員をやりたがるというのは、すばらしいことです。
普通は、高学年の子はやりたがらないので、決めるのが大変なのです。
しかも、先生や友達の信頼もあるとのことですから、これもすばらしいことです。
この子は、親からは「何でも中途半端」と見えても、学校や少年団の役員の仕事をこの子なりにがんばっているのではないでしょうか?
それでなければ、先生や友達に信頼されるということはあり得ないと思います。
親に見えないところで、子どもはけっこうがんばっているものなのです。
自分でやりたがってやって、しかも信頼されているというのですから、まったく心配ないと思います。
自分でやりたがってやったとしても、そのあげく先生や友達から信頼されなくなったということも多いのですから。
「部屋は散らかり、塾の宿題やピアノの練習をしない」とのことですが、これも普通だと思います。
大人でも子どもでも、家にいるときはリラックスして気が緩むものです。
それが自然の姿なのです。
家でリラックスできるから、外でがんばれるのです。
どんなに外でしっかりしているように見える子でも、家ではダラダラしているものなのです。
ですから、部屋も散らかって当然です。
自分の部屋なんて、散らかっているのが普通なのです。
自分の部屋が散らかっていない子なんて、そうそういません。
大人でも、そうそういません。
あまりにもひどいときは、片付けるように言ったり、一緒に片付けたりすればいいのです。
または、親が片付けてやってもいいのです。
そのとき、「何度言ったら部屋の片付けができるようになるの?」とか「お前は本当にダメだね」などと、余分なことを言わないことです。
どうせ言っても変わりません。
それどころか、こういうマイナスイメージの言葉にはマイナスの効果しかありません。
繰り返し言われれば、言われたほうは自信をなくします。
叱られることが多くなればなるほど、自分はダメだと思うようになります。
そして、だんだん親の愛情への不信感も出てきます。
「自分はあまりいい子だと思われていないようだ」「自分はあまりよく思われていないのかも」「自分は愛されていないのでは?」などと思うようになるのです。
塾やピアノにしても、そこに行っているだけでも立派なものです。
もし仮に、こういう子がいたらどうでしょうか?
学校や少年団の役員を積極的にやりたがり、それをしっかりこなし、先生や友達の信頼もあり、家では部屋の整理整頓も上手で、塾の宿題やピアノの練習をいつも言われなくてもしっかりがんばり、親の信頼も厚く……
もしこういう子がいたら、かえって心配です。
「イヤ」とか「やりたくない」などと言ったり、弱音を吐いたり、文句を言ったり、手を抜いたり、気を緩めたりできない子は、それこそ心配なのです。
がんばり続けて、ストレスを小出しにできずにため込み続け、ある日限界点に達して大爆発するということになるのです。
不登校、リストカット、うつ、親子関係の崩壊などの形で出ることになるのです。
まじめすぎたり、親や先生の期待に応えようという気持ちが強すぎたりする子は、こうなることがあります。
みんな外でがんばり、家でダラダラしているのです。
やりたいと言って始めても、いざやり出すと大変で、手を抜いたりやめたいと言い出したりするのです。
みんなどうにかこうにかぼろが出ないように、つじつまを合わせているのです。
大人も子どもも、そうやって生きているのではないでしょうか?
最初言ったように、この子は、親に見えないところでかなりがんばっていると思います。
それでなければ、先生や友達から信頼されることはありません。
また、この子だけでなく、どの子もみんな親に見えないところでけっこうがんばっているのです。
私は、それを強調したいと思います。
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