誰もが絶対じょうずに書ける、読書感想文(3)
「教えて! 親野先生」でおなじみの、親野智可等先生に「誰もが絶対じょうずに書ける、読書感想文」について伺いました。3回目は「それでもどうしても書けないとき」のスペシャルテクニックについてです。
(3)それでもどうしても書けないときに…… 誰もがすらすら書ける感想文テクニック
どうしても書けなくて悩んでしまったら、親野先生直伝のスペシャル裏ワザテクニックを駆使しましょう。読書感想文はこうあるべきという概念を取り払い、書きやすいパターンで書けば良いのです!
書けないときに使える! 読書感想文スペシャル裏ワザテクニック |
●手紙形式にする 出だしから「◯◯さんへ」と作者や主人公へ宛てたメッセージ形式にします。「あのとき、◯◯さんは大変だったでしょう。ぼくもびっくりしました」と手紙を書くように進めれば、何が書きたいか焦点がはっきりして、陥りがちな「あらすじ書き」から、自然と逃れられます。 ●登場人物になりきる 登場人物の気持ちになって、ひとりごとを言うように「あのときこう思ったんだ」「あのときこうしていれば良かった」……などと書いていきましょう。手紙形式と同様に焦点がはっきりし、想像もたくましくなり、楽しく文が書けます。 ●いちばん書きたいところから書く 文の冒頭で「この本を読んで、わたしは命の大切さを知りました」とか「なぜ、あのとき主人公は、逃げなかったのでしょう?」のように、読んだ結果、もっともインパクトがあった部分を、まず書くテクニックです。そうすることで、その後の文もつなげやすくなります。 |
書き終わったあと、さらに伸ばす保護者のフォロー
お子さんが完成した読書感想文を読んだら「てにをは」がおかしかったり、ねじれ文があったりすることがあるかもしれません。添削して書き直すように「強制」すれば簡単ですが、それではお子さんは達成感が得られません。
そこで、まずは良いところをたくさんほめてあげてください。「思ったことが書けているね」「良いところに気づいたね」「お母さんもそう思ったよ」「しっかりとした字で書けているね」……なんでも良いのです。とにかく、読んだらほめましょう。ほめて共感する、これは子どもが伸びる鉄則です。
そのあとで、どうしても気になるところを、せいぜい3点に限定して指摘しましょう。「ここ、すごく良いから、文を2つに分けてみたらもっと良くなるんじゃない?」「読んでみて、おかしいと思う部分があったら直そうよ」。こんな感じで提案すると、お子さんも否定された気にはならないでしょう。
●親野先生からのメッセージ
一生懸命読み、心がゆり動かされた読書体験は、その子の人間的成長につながる、かけがえのない体験です。このような教育効果があるため、読書感想文は日本で戦後ずっと続いているのです。読書感想文に取り組むことで、大切な体験ができたら良いじゃないですか。その子の栄養になるような読書体験になるよう、ぜひ保護者のかたはサポートしてあげてください。
『親野智可等の学力が伸びる「作文力」教室』 <宝島社/親野智可等(著)/780円=税込み> |