我が子を加害者にしない! 安全に自転車を楽しむには(2)乗り方編

先日、「小学生の自転車事故で母親に9,500万円の賠償(神戸地裁)」という報道があり、驚かれた保護者の方も多いと思いますが、近年、被害が重大だと自転車事故でも加害者に高額な支払いが求められるケースが増えています。今回は、お子さまが自転車に乗る際に保護者が指導しておきたいこと、自転車事故への備えについて、前回に引き続き、一般財団法人日本交通安全教育普及協会の彦坂誠さんにお話をうかがいました。



我が子を加害者にしない! 安全に自転車を楽しむには(2)乗り方編


交通ルールは具体的な行動として教えることが大切

自転車はお子さまでも手軽に楽しめる乗り物ですが、道路交通法では「軽車両」という自動車の仲間です。遊び道具ではなく、交通ルールを守り≪運転する≫ものだという意識をお子さまに持たせることが大切です。下記の自転車安全利用五則は、自転車に乗るときに守るべき交通ルールの中でも、とても基本的な内容です。この交通ルールを守れているかどうか、親子で一緒に確認してみてください。


自転車安全利用五則
1.自転車は、車道が原則、歩道は例外
2.車道は左側を通行
3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4.安全ルールを守る
  ・飲酒運転・二人乗り・並進の禁止
  ・夜間はライトを点灯
  ・交差点での信号遵(じゅん)守と一時停止・安全確認
5.子どもはヘルメットを着用

ただ、単にお子さまに「交通ルールだから」と言うだけでは、その場ではいけないことと頭で認識できたとしても、実際の行動には結びつきません。また、小さなお子さまには「安全確認をしなさい」「交差点はあぶないよ」という抽象的な言葉だけではなく、たとえば交差点なら右左から車やバイク、人や自転車が来ないかどうか、また、前後から右左折車が来ないかどうかを確かめることなど、より具体的な安全行動を教えてあげてください。そして、どうすれば安全なのか、どんなときに危険がひそんでいるのか、普段の生活の中でお子さま自身に考えさせて、気付かせていくことが大切です。
信号のある横断歩道では、保護者がリードしてしまうのではなく、お子さま自身に安全確認をさせてから横断歩道を渡らせたり、「止まれ」などの交通標識を見たらきちんと一時停止させたりして、正しい交通ルールやマナーを具体的な行動として一緒に実践していくことが大事です。まずは広い公園などでしっかり止まれるか、安定した走行ができるかなど、十分に練習させてください。



保護者の運転ルールを子どもは見ています

また、お子さまと自転車で一緒に歩道を走行中、歩行者によけてもらいたいからといってベルを鳴らしていませんか? 歩道は「歩行者優先」です。ベルを鳴らして歩行者に道を譲ってもらうのはダメです。歩行者で混み合っていたら、自転車を押して歩くようにしましょう。そのほか、青信号が点滅しているのに「まだ渡れる」と横断をはじめてしまう、一時停止の標識を無視してしまうようでは、お子さまの安全意識は育ちません。お子さまは大人の行動をよく見ています。保護者自身がまず正しい交通行動をすることからすべてが始まります。



自転車保険に加入していますか?

自転車事故の加害者になってしまった場合、賠償金額は数千万円にのぼることもあります。この賠償責任は、未成年といえども責任を逃れることはできません。そんなもしもの場合に備えて、自転車でも保険に加入することをおすすめします。自動車保険や火災保険の中には、特約として自転車利用時における保険がつけられるものもあります。まずは加入している自動車保険や火災保険の契約内容をチェックしてみましょう。加入していない場合は別途自転車保険への加入をおすすめします。万が一の備えをしつつ、交通ルールやマナーを守り、自転車を活用させたいですね。


プロフィール


彦坂誠

一般財団法人日本交通安全教育普及協会
内閣府の参加・体験・実践型交通安全教育事業の企画運営・講師をはじめとし、警察庁の交通安全教育事業や調査研究、自治体や学校などでの自転車安全利用講習会などを行うほか、テレビや雑誌で交通安全の正しい知識の普及活動を行っている。

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

子育て・教育Q&A