お姉ちゃんと違ってだらしがない弟[教えて!親野先生]
4年生のお姉ちゃんは親の言うことを素直に聞いてくれて、自分で何でもしっかりできるのですが、弟はまったく正反対でだらしがなく、何度言ってもできません。同じように育てているのに、弟のことだけでいつもへとへとになります。おまけにこの頃は反抗的になってきました。(はてなママ さん:小学1年生男子)
親野先生からのアドバイス
はてなママさん、拝読いたしました。
お姉ちゃんと弟があまりにも違いすぎるのですね。
親としては、「同じように育てているのに、なぜこんなに違うのか?」と思いますよね。
これについては、男の子脳と女の子脳の違いを理解しておくことが必要だと思います。
私の経験も交じえて言いますと、男の子脳の度合いの高い子は、「やりたいことしかやらない」「やるべきことをやらない」「イヤなことは後回し」「ルールを守らない」「けじめがつかない」「時間の観念がない」「物の管理が苦手」「人の気持ちが読めない」「落ち着きがない」「自己コントロールが苦手」などなどの傾向があるようです。
つまり、親や先生にとって、「手がかかる」「大変」「育てにくい」ということが多いのです。もちろん、男の子がみんなそうだということではありませんし、女の子がみんな手がかからなくて楽で育てやすいということでもありません。
脳科学によると、女の子でも男の子脳の度合いが高い子が何割かいるそうで、そういう子は先の傾向が当てはまることになります。つまり、手がかかって大変で育てにくいのです。
では、男の子脳の子がずっとそういう状態かというと、そうではないそうです。
実は、「手がかかる」「大変」「育てにくい」などの部分が、あとで伸びる要素と裏表の関係にあるそうです。
つまり、男の子脳の場合、先に大変な部分が出るわけで、その分あとで伸びるということなのです。でも、それまではけっこう大変なのです。よく「男の子は大変」と言われるように、そういう傾向は実際にあるのです。
そこで、気を付けてほしいのは、きょうだいが異性の場合です。
今回のように上が女の子で下が男の子の場合、つまり姉と弟という組み合わせの場合、気を付けてほしいことがあります。
(厳密に言うと上が女の子脳で下が男の子脳の場合ですが、説明を簡便にするために「姉と弟」と書きます)。
それは、次のようなことです。
最初のお姉ちゃんがわりと育てやすくて、親としては子育てがけっこううまくいきます。すると、親は子育てについての成功体験ができ、「子育てとはこういうものだ」という自分なりの観念や基準ができます。ちょっとした自信もつきます。
ところが、次に現れたのがとんでもない子です。
落ち着きはないし、何度言っても聞かないし……。
だらしがないし、何をやってもいい加減で雑だし……。
猿なのか宇宙人なのか?
まったく思うようにいかないその子を前に、親は頭を抱えて途方に暮れます。
特に、自分自身に男の兄弟がないお母さんは、免疫がないのでそうなりやすいようです。そして、どうしても自分の初めの子、つまりけっこううまくいったお姉ちゃんが基準になるので、叱り続けることになります。
お姉ちゃんはできるのに、なんであなたはできないの?
ちゃんとやらなきゃだめでしょ!
同じことを何度言わせるの?
実際にこのケースでも、「何度言ってもできません」「いつもへとへとになります」ということなので、弟はかなり叱られているのだと思います。
このような場合、親のほうは無意識のうちにお姉ちゃんと比べてしまっていることが多いです。もちろん、意識してそうしているわけではないのですが、無意識のうちに比べているので、ちょっとした言葉にそれが出てしまいます。
弟のほうはそれを敏感に感じ取ります。すると、ますます素直に聞けなくなり反抗的になります。 これが過ぎると、姉と弟の仲が悪くなり、それが一生続くことにもなりかねません。実際にそういう例はたくさんあります。
そうならないためには、親は男の子脳と女の子脳の違いを理解したうえで、男の子は割り引いて見てあげることが必要です。
男の子と女の子を比べてはいけません。
男の子は先に大変な部分が出るのです。その分あとで尻上がりに伸びます。(女の子でも男の子脳の度合いが高い子は、このようになります)。
私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。
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